元バルサの仏代表DF、ラツィオサポの人種差別チャントに涙も…プレー続行で最高評価。レッチェ会長は賞賛「真のカンピオーネ」

2023年01月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

試合は2-1で逆転勝利

ラツィオ戦で人種差別の被害を受けたウンティティ。(C)Getty Images

 年明けの初戦から残念な話題だ。

 1月4日に再開したセリエAのレッチェ対ラツィオの一戦で、レッチェのフランス代表DFサミュエル・ウンティティやラメク・バンダが人種差別の被害に遭った。イタリア紙『Gazzetta dello Sport』などが報じている。

 報道によると、アウェーのラツィオの一部サポーターによるモンキーチャントを受け、主審は後半途中に試合を一時中断。会場にはチャントをやめるようにうながすアナウンスが流れた。

 幸いだったのは、ホームのレッチェのサポーターが、ウンティティの名を叫んでモンキーチャントをかき消したことだ。元バルセロナのCBはプレーを続行し、レッチェはその後追加点を奪取。2-1と逆転勝利を収め、3連勝を飾っている。

 Gazzetta dello Sportによると、ウンティティは涙を流していたとのこと。卑怯なチャントに心を痛めたのだから当然だが、一方で、レッチェファンのサポートに感激したとも伝えられている。
 
 レッチェのサベリオ・スティッキ・ダミアーニ会長は「プレー中断時に彼は再開を求めた。ピッチで中傷に応えたがったんだ。真のカンピオーネとしてリアクションした」と、ウンティティに賛辞を寄せた。

 胸中穏やかでなかったはずのウンティティだが、プレーの面でも堂々のパフォーマンスを披露。Gazzetta dello Sportは採点で7.5点をつけ、ベストプレーヤーに選出している。

 今回の件を受け、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長はSNSで「ウンティティとバンダに連帯。大声ではっきりと叫ぼう。『人種差別にノー』だ」と、改めて差別行為を非難した。

「大多数の善人であるファンが立ち上がり、すべての人種差別主義者を黙らせられるように!」

 これを受け、ウンティティ本人はSNSで「サッカーは喜びと楽しみ、それ以外は重要じゃない」と反応している。

 人種差別撲滅への闘いは、容易ではないかもしれない。だが、2023年は少しでもこのような話題が減ることを願うばかりだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

動画】ウンティティへの差別チャントが歌われたレッチェ対ラツィオ戦のハイライト

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