大注目の優勝候補対決でスコア以上の完勝! なぜ前橋育英は昌平を圧倒できたのか【選手権】

2023年01月02日 松尾祐希

「攻守の切り替えがポイントだった」と山田監督

後半10分、前橋育英の青柳(奥)が鮮やかに逆転ゴールを蹴り込む。写真:梅月智史

[高校選手権3回戦]昌平 1-2 前橋育英/1月2日(月)/浦和駒場スタジアム

 スコアだけを見れば、優勝候補同士の大一番は接戦だったかもしれない。しかし、80分間の内容で見れば、前橋育英の完勝だった。

 1月2日に行なわれた全国高校サッカー選手権3回戦で、インターハイ王者の前橋育英と同ベスト4の昌平が対戦。このビックマッチを見ようと、浦和駒場スタジアムには1万5372人の大観衆が詰めかけた。大会の前半戦を締め括るに相応しい大一番だったが、前橋育英が昌平に付け入る隙を与えなかった。

 開始3分に DF陣の連携ミスからMF荒井悠太(3年/FC東京入団内定)に先制を許したが、前半13分にFW山本颯太(3年)がFW小池直矢(3年)とのワンツーで狭いエリアを打開して、同点弾をゲット。以降は押し気味に試合を進め、後半10分に右サイドを素早いパスワークで崩した小池が折り返すと、最後はMF青柳龍次郎(3年)が押し込んで試合をひっくり返した。

 その後も優勢にゲームを進め、強度の高い守備で技術に定評がある昌平攻撃陣を封じていく。ピンチは何度かあったが、終わってみれば相手のシュートを3本に抑えての逆転勝利だった。

 大会前から優勝候補に挙げられていた前橋育英と昌平。互いに高校年代トップクラスのスキルを有し、実力は拮抗していた。だが、80分間を通じてゲームを支配していたのは前橋育英。ボールポゼッションとドリブルと織り交ぜた仕掛けが特徴の昌平は何もさせてもらえなかった。今季の昌平の戦いで、ボールを握れない展開になったケースはほとんど記憶にない。

 では、なぜ前橋育英は昌平にスコアでも内容でも上回れたのだろうか。その理由を紐解いていくと、2つの答えがある。
 
 1つ目は、攻守の切り替えにおけるスピードだ。山田耕介監督は言う。

「最初からこういうゲーム展開にはなるのは分かっていたので、ポイントは攻守の切り替え。向こうも速いんで、そこに我々も負けないようにしたかった」

 試合前からキーポイントに挙げていた攻守の切り替え。ダブルボランチのキャプテン・徳永涼、根津元輝(ともに3年)を中心にボールを奪ったら即座に攻撃に転じ、守備に回った際も鋭い出足で相手に猛然とプレスを掛け続けた。効果はてきめん。ほとんどの局面で昌平に自由を与えず、良い状態でボールを持たせない。「ボールを奪っても、相手のプレスが速かったので繋げなかった」と昌平の荒井が振り返った通り、特に前半の守備は高い強度で何度もボールを即時奪回した。

 深い位置まで切り込まれる場面はほとんどなく、与えたCKはゼロ。危険な位置でのファウルもほとんどなく、ゴール前のFKも2度しかなかった。

 そうした強度の高い守備が80分間を通じて実行できたからこそ、昌平のストロングポイントを奪えたのだろう。

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