「凄いですよね」と福田師王も絶賛! 神村学園の「ジョーカー」、1年生の10番が抜群に効いている【選手権】

2023年01月02日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

「上手くリズムを持ってきてくれる」

日大藤沢戦で途中出場した神村学園の名和田。試合の流れを変えた。写真:滝川敏之

[高校選手権3回戦]神村学園1(5PK3)1日大藤沢/1月2日(月)/等々力陸上競技場

「凄いですよね、ホント」

 卒業後はドイツのボルシアMG加入が内定している神村学園の福田師王が、そう言って絶賛したのは1年生ながら10番を背負う名和田我空だ。日大藤沢との選手権3回戦では後半開始から途中出場。名和田投入効果について、福田が言葉を続ける。

「相手は真ん中が堅くて、チーム内では『サイドが空いている』という共通理解がありました。サイド攻撃を意識しているなかで、我空が縦への突破だったり仕掛けて、良いところにボールを出してくれた。チームを活性化してくれた良い選手だなと思います」

 0-0で迎えた後半、左サイドハーフに入った名和田は、いきなり大迫塁からのスルーパスを受けてゴールに迫った。その後もドリブルとパスを駆使してボールに何度も関わり、後半35分には右サイドからのクロスに反応して絶好機を掴む。シュートは相手GKに阻まれたが、10番に相応しく、神村学園の攻撃の中心にいたのは間違いなかった。
 
 栢野裕一監督代行は「シュートのところをたぶん本人は悔やんでいると思います」と慮ったが、名和田の働きを次のように称えた。

「得点できるところに絡んでいますし、チャンスも作りました。名和田が入ってリズムが変わりましたね。彼はジョーカー的な役割で、上手くリズムを持ってきてくれるので、チームの流れを変えるには非常に良い」

 日大藤沢戦では後半11分に失点しながらも4分後に同点に追いつき、1ー1で迎えたPK戦を5-3で制した神村学園において、ジョーカーの名和田は抜群に効いていた。しかもPK戦では5人目のキッカーを務め、チームに歓喜を呼び込んだ。「度胸も持っている」(栢野監督代行)と賛辞の声は止まらない。

 青森山田との準々決勝(1月4日)で名和田は、果たしてどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。福田からの「10番はいろんな責任はあると思うけど、思いっきりやってほしい。なによりサッカーを楽しんでほしい」との言葉を胸に刻んで、次戦でも等々力陸上競技場を沸かせてほしい。

取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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