[高校選手権１回戦] 聖和学園２－０大分／12月29日（木）／ゼットエーオリプリスタジアム

　６年ぶりに選手権の舞台に帰って来た聖和学園。ドリブル、個人技に特化したサッカーで注目を集めてきたが、今年のチームはドリブルだけが武器ではない。多彩な攻めの一つ、セットプレーが大分との１回戦で機能した。

　前半からボールを保持し、相手陣内でゲームを進めながらも、ゴール前をしっかりと固めてきた大分守備陣の前に得点を奪えず前半を終えた。

　スコアレスで迎えた後半８分、左サイドでフリーキックのチャンスを得る。プレースキッカーのDF雫駿介（３年）が左足で放った柔らかいボールに、DF益田吏玖斗（３年）の前に入ってきたFW桃原泰河（３年）がヘディングで合わせて先制に成功した。

　さらに今度は後半12分、右サイドでフリーキックのチャンスを得ると、雫のニアサイドへのキックをMF榁木良雅（３年）がヘディングですらして追加点。雫は同39分にはミドルシュートをクロスバーに当てるなど、最後まで大きな存在感を見せて２－０の勝利に貢献した。
 

「彼のキックは武器です。良いボールから決めてくれました。ああいうところ（ゴールの近く）でファウルするとフリーキックがあります」と加見成司監督も雫のプレースキックには大きな信頼を置いている。

　今年はこれまでも県高校総体決勝の東北学院戦や、選手権県予選の準決勝・仙台育英戦など、ここぞというところで雫が直接フリーキックでゴールを決めてきたが、全国の舞台でも２アシストという形で強烈なインパクトを残した。

　先制弾の桃原は「良いボールを蹴ってくれるのは毎回なので、フリーキックはだいぶ信頼しています。試合中のロングフィードも含めてキックの部分は全部信頼しています」とプレースキックだけでなく、これまでの聖和学園ではあまり見られなかった局面を変えるロングフィードにも絶大の信頼を置いている。

　２点目を挙げた榁木も「ゴール前に良いボールが来るのを予測していたのですが、キーパーの前に出ようと思ったらイメージ通りのボールで、ゴールに結びつきました」と雫のキック精度に感嘆していた。

【高校サッカー選手権１回戦PHOTO】聖和学園２－０大分｜セットプレーで２得点を挙げた聖和学園が大分を快勝！！