「ありがとう。俺らが優勝するから」歓喜の輪からそっと外れ…前橋育英の主将が見せた振る舞いは“夏の王者”に相応しかった【選手権】

2022年12月29日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

先制されるも「心配はしていなかった」

伝統の14番を背負う徳永。写真:窪田亮

[高校選手権1回戦] 前橋育英2-1日章学園/12月29日/NACK5スタジアム大宮

 試合終了のホイッスルが鳴ると、青いユニホームが崩れ落ちた。

 激闘を制したのは夏のインターハイに続く2冠を狙う前橋育英。何人かの選手が雄叫びを上げて喜ぶ姿が激闘を物語っていた。

 序盤から、コンパクトなブロックを作る日章学園のソリッドな守備に苦しみ、ボールは保持するものの、ゴールをこじ開けられない。

 後半10分にはセットプレーから失点。「メンテル的に落ちる時間ではなかった。内容を見てもやれてたんで、心配はしていなかった」とキャプテンのU-18日本代表MF徳永涼が語ったように、夏の王者は慌てない。

 さらに攻勢を強めて同19分に同点に追いつくと、37分に勝ち越し点。地力の差を見せつけ、鮮やかな逆転勝利を収めた。
 
 終了の笛がなり、チームメイトが喜び分かち合うなか、徳永はその場をすっと離れ、立ち上がれない日章学園の選手たちに声を掛ける。

「ありがとう。俺らが優勝するから」

 返ってきた言葉は「ありがとう」。健闘を称え合った。

 名将・山田耕介監督が「彼はリーダーだから」太鼓判を押す徳永。総体王者の主将に相応しい振る舞いだった。

取材・文●江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

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