技巧派集団・東山の“苦労人”豊嶋蓮央が殊勲の2得点!「自分はあまり上手くない」が結果を出せた理由は?【選手権】

2022年12月29日 渡邊裕樹(サッカーダイジェストWeb編集部)

2点目をアシストした石井とは3歳からの幼馴染

初戦で2得点。硬さの見えるチームで持ち味を発揮した豊嶋。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

[高校選手権1回戦] 東山2-1星稜/12月29日(木)/ゼットエーオリプリスタジアム

 C大阪内定の10番・阪田澪哉をはじめ、1年生時から試合出場を続けるテクニカルな選手が揃う東山(京都)は、2014年度に優勝経験を持つ星稜(石川)と対戦した。

「前半のうちに1点は奪えましたが、その後はまったく良くなかった。ハーフタイムに修正できて、後半に2点目を取れましたが、僕らが相手のセットプレーを警戒し過ぎた。その警戒していた形で失点してしまいました。初戦は内容よりも結果が大事なので、勝てたのは良かったかな」と東山の福重良一監督が振り返る辛勝だった。

 そんな一戦で、輝きを放ったのが3年生FW豊嶋蓮央だ。

 前線を精力的に駆け回り、2ゴールの大活躍。硬さの見られたチームに活気をもたらした豊嶋だったが、試合後にはプレーぶりとは一転してどこか落ち着きのない様子。というのも、ヒーローインタビューはこれが初。さらに試合後に多数のメディアに囲まれた経験も初めてだという。

 滋賀県から京都へ越境してきた豊嶋は、「僕は1年の時に(試合に)出ていなくて、澪哉たちと一緒に練習してきた結果が今」と、3年生になってやっとレギュラーを掴んだひとりだ。
 
「自分はあまり上手くないので、球際の部分で(厳しく)やらないと(試合に)出られない。一つひとつの球際の部分やプレーにこだわっていきたい」

 その言葉通り、前半21分には相手のビルドアップにプレスを仕掛けてボール奪取。その流れからゴール右隅に冷静にシュートを流し込んだ1点目は、「練習でも守備の部分はずっと言われてきているところ。練習の成果だったと思います」と語る。一方で、シュートに関しては、練習時にもあまりないというファーサイドに流し込む「自分でもびっくり」の見事なフィニッシュだった。

 さらに後半17分に右サイドを駆け上がったSB石井亜錬からのクロスを頭で押し込んだ2点目は、「SBの亜錬とはずっと小さい時からサッカーをやってきているので、上がってくるタイミングも分かりやすくて、クロスも動き出しとぴったり合った」という。

 石井とは同じ滋賀県出身で、サッカーを始めた3歳時に同じ幼稚園に通っていた幼馴染。一方で、「亜錬は上手くて、今まで同じチームではなかった」とサッカーの経歴は別々。中学時の県選抜で顔を合わせる機会はあったものの、東山への進学で初めて同じチームでプレーしたというが、気心が知れた仲だっただけに、相性は抜群だった。

 初のヒーローインタビューを受けた豊嶋は「(僕が)主役というワケじゃない。一人ひとりが頑張った結果。全員で奪った得点だったと思っています」と少しぎこちない様子でチームメイトへの感謝を口にした。

取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)

【選手権PHOTO】堀北・ガッキー・広瀬姉妹! 初代から最新18代目の凛美まで「歴代応援マネージャー」を一挙公開!
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事