J１リーグの第２ステージ16節・G大阪対広島が万博記念競技場で行なわれ、広島が２-０で快勝し、第２ステージ優勝へ大きく前進した。

【J１ PHOTOハイライト】G大阪 ０-２ 広島
 
　鹿島が引き分け以下に終われば、この試合で優勝の可能性がある広島は、敵地ながらスピーディな攻撃で積極的にG大阪ゴールに迫っていく。柴崎が２列目から飛び込んでシュートを放てば、ミキッチのクロスからJ１通算得点記録を狙う佐藤も果敢に飛び込んでいく。
 
　一方、ボールポゼッションで上回るG大阪も左サイドの宇佐美を起点とした攻撃でフィニッシュまで持ち込む。23分にはパトリックとのワンツーから宇佐美がダイレクトで右足を振り抜くが、ここはGK林が好セーブ。得点には至らないものの、ともに持ち味を活かした立ち上がりを見せる。
 
　30分以降、さらにG大阪がボールポゼッションを高めるが、広島はカウンターで対抗。34分には、カウンターからエリア内に入り込んだ柴崎がシュートを狙う。しかし、これは東口の守備範囲に収まりキャッチされた。
 
　結局前半はともに決め手を欠いて０-０でハーフタイムに入った。
 
　ともにメンバー交代をせず臨んだ後半、最初にチャンスを掴んだのは広島。53分にドウグラスがドリブルでエリア内への侵入を試みると、遅れて対応に入った岩下にタックルを受けて倒され、ペナルティエリア右のすぐ外側でFKを得る。そして、これをドウグラス自らが蹴り込むと、シュートは鋭い弧を描きながらG大阪ゴールに突き刺さる。広島が先制点を奪う。
 
　その数分後、G大阪にアクシデントが発生。ドウグラスのFK時のセービングで膝を打ったGK東口が負傷退場。第２GKの藤ヶ谷との交代を余儀なくされる。東口は11月５日に発表された日本代表メンバーにも選出されており、怪我の程度は気がかりなところだ。
 
　さらに67分、今度は広島の水本がCK時の混戦で頭部を負傷。こちらも交代を余儀なくされ、佐々木が投入された。その５分後には佐藤が浅野と交代。佐藤は今節も中山雅史のJ１通算得点記録に肩を並べることはできなかった。
 
　終盤に突入した試合は、G大阪がビッグチャンスを迎える。81分には井手口の縦パスに反応した宇佐美がGKと１対１となるが、シュートはインサイドに引っかかってしまい、ゴール左に逸れてしまう。直後にはゴール前の混戦で井手口、米倉とゴールを狙うも広島DF陣の身体を張った守備に阻まれた。
 
　そして89分、広島が勝利を決める２点目を奪う。後方から入った縦パスをドウグラスが落とし、浅野、青山とつなぎ、最後は右サイドを駆け上がった清水が勢いのまま右足を振り抜くと、これがG大阪ゴールに突き刺さった。
 
　アディショナルタイムは東口、水本の負傷により７分間とられたが、広島が２点のリードを守り切り、2000年以来勝利のなかった万博でG大阪に快勝した。
 
　同時刻開催で行なわれた鹿島対横浜が、２-０で鹿島の勝利に終わったため、今節での優勝はなくなったが、勝点差で３ポイント差、得失点差で12点差があるため、最終節で大量失点で敗れない限り、優勝が決まる。また、浦和が川崎と引き分けたため、広島は年間勝点でも２位の浦和との勝点差を２に広げた。