日本代表は現地時間12月１日、カタール・ワールドカップ（W杯）の初戦でスペイン代表と対戦し、２－１で勝利した。
 
　日本は立ち上がりから相手に主導権を握られて苦しい展開が続き、11分にクロスから失点。そのまま０－１で前半を折り返すと、後半から堂安律と三笘薫を投入して積極的な攻撃を促す。するとこの交代策が見事的中。48分に堂安が左足一閃で同点弾を叩き込み、51分に三笘の折り返しを田中碧が決めて逆転。その後は鎌田大地に代えて冨安健洋を起用するなど守備に重心を置いて粘り強く戦い、２大会連続のベスト16入りを果たした。
 
　試合後、先発出場の鎌田が歴史的な勝利を次のように喜んだ。
 
「多くの方がこのグループを突破できると思っていなかったなか、僕らだけが本気で突破できると信じていました。難しい相手でしたが、結果を残せて良かったです」

　また、自陣に引き込んで守る戦い方を「プラン通り」としたうえで、ドイツやスペインを下してグループリーグ突破を決められた要因をこう語った。
 
「前半は０-０を狙い、ドイツやスペインのような強国が相手であれば０-１も悪くないというやり方が上手くいっていますが、攻撃的な選手にとっては我慢が必要な戦術です。そのなかで結果を出せているのは、毎試合後半にスイッチを入れ直して、チームの全員が自分のやらなければいけないことを実行できていることが大きいです」
 

　さらに、歓喜を呼び寄せるきっかけとなった５バックのへのシステム変更について、鎌田が経緯を明かした。
 
「試合の２日前の練習では５バックの２トップを試していましたが、相手のCBからハメに行くための形なのに前から行こうとしないから、上手くいかなかった。選手たちも違和感を抱いていたなかで、フランクフルトでバルセロナと対戦した時にハマった３－４－２－１をミーティングで提案をしました。選手のタイプが違うとしても、スペイン相手には有効なのではないかと。どの国でもあれだけ引かれると難しいだろうし、チーム全員で良い守備ができたと思います」
 
　鎌田の提案した３－４－２－１は狙い通りにスペインを苦しめた。
 
　初のベスト８進出がかかった現地時間12月５日のクロアチア戦では、鎌田の成功体験から生まれた新システムを採用するのか、はたまた予選を戦った４バックに戻すのか。森保一監督の決断に注目が集まる。
 
構成●サッカーダイジェスト編集部

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