武藤7試合ぶりのゴールも、マインツは“魔の9分間”で連敗――マインツ 1-3 ブレーメン

2015年10月25日 遠藤孝輔

後半は攻めたマインツだが、フラストレーションの溜まる敗北。

 10月24日に行なわれたブンデスリーガ第10節、目下5連敗中と暗いトンネルに入り込んでいたブレーメンが、マインツの本拠地で3-1の完勝を収めた。
 
 自身の進退が問われていたスクリプニク監督にとっては、首の皮をつなぐ貴重な3ポイントとなった。
 
 互いに主導権を握ろうとする意思を前面に押し出していた立ち上がりは、文字通りプレスの応酬が繰り広げられた。
 
 中盤での激しい主導権争いが演じられ、両軍ともに攻撃の糸口を掴めない。それでも5分、ボールをかぶった相手のミスに乗じて、マインツのラッツァがファーストシュートを放つ。
 
 しかし、それ以降はどちらもシュートチャンスどころか、2~3本のリズミカルなパスも繋げられず、時計の針だけが進んでいく。
 
 ゴール前の攻防が極端に少ない試合に変化が生まれたのは、マインツのMFラッツァが負傷退場した37分以降だ。体力的な消耗からか、ともに陣形が間延びしはじめ、敵陣の深い位置まで攻め込むシーンが増加する。
 
 ここでチャンスを確実にモノにしたのは、ブレーメンだった。39分、左サイドの最深部まで攻め上がった左SBのS・ガルシアのクロスに、ウジャーがヘディングで合わせてネットを揺らす。
 
 5分後には、再びS・ガルシアとウジャーのコンビで追加点をもぎ取ることに成功。前者が放った低弾道のクロスに、マーカーを振り切ったウジャーがワンタッチでゴールに流し込んだのだ。
 
 続けざまの失点に動揺するマインツをあざ笑うかのように、ブレーメンは前半のアディショナルタイムに3ゴール目を奪取。CBヴェステルゴーが敵の右SBとCB間を通すスルーパスを送り、飛び出したグリリチュの折り返しをバルテルスがしっかりとゴールに結びつけた。
 
 それまでピンチに瀕していなかったマインツにとっては、いわば"魔の9分間"だった。
 
 攻めるしかなくなったマインツは後半、何度もブレーメンのゴールに襲い掛かる。
 
 52分にはエリア内でフリーになった武藤が左足シュート。その5分後には右サイドからダイアゴナルなドリブル突破を見せた武藤がチャンスメークするも、ハイロが狙い澄ましたシュートは枠を大きく逸れてしまう。最終ラインの裏に飛び出したデ・ブラシスが迎えた75分のビッグチャンスも、GKヴィードバルトの好守に遭い……。
 
 マインツ・ファンにとってはフラストレーションが溜まる展開のなか、ホームチームが意地の1ゴールを挙げたのは試合終了間際の90分だった。
 
 S・ガルシアからU・ガルシアに代わり、左サイドの守備が緩慢になっていた隙を突いたブロジンスキが、エリア内に正確なクロスを供給する。これをダイレクトで合わせたのが武藤だ。
 
 彼にとっては7試合ぶりとなる意義のあるゴールになったものの、試合はそのままタイムアップを迎え、マインツは本拠地2連戦で手痛い2連敗を喫してしまった。
 
文:遠藤孝輔
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