「もう右足では、なかなかボールを蹴れなかった」“山雅の魂”田中隼磨が現役ラストマッチで決勝点を演出!松田直樹さんには…

2022年11月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

「自分の培ってきた山雅の流儀を、このピッチで見せようと」

田中は限られたプレータイムで見事に有終の美を飾った。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 松本山雅FCは11月20日、ホーム開催のJ3第34節・SC相模原戦で1-0の勝利。終了間際にゲットしたゴールを演出したのが、今季限りで引退を表明している元日本代表DF田中隼磨だ。

 87分に投入され、これが今季初出場の隼磨は、90分、右サイドから切れ込んで左足でクロスを上げると、逆サイドで外山凌が折り返し、飛び込んできた中山陸がゴールに突き刺した。背番号3が決勝点の起点となった。

 限られたプレータイムで大仕事やってのけた"山雅の魂"は、試合後のフラッシュインタビューに応じ、涙ながらに思いを語った。

「最後(ピッチに)立てるか分からなかったが、自分の示しを、生きざまを、みんなに見せようと、自分の培ってきた山雅の流儀をこのピッチで見せようと、最後表現した」

 左足で上げたクロスついては「もう、右足では、なかなかボールを蹴れなかったので、左足に託して」と明かす。「仲間が最高の形で、ボールをゴールにつないでくれた。それを導いてくれたのは、スタンドにいるファンやサポーター、皆さんのおかげ」と振り返る。
 
 また、ファン・サポーターが歌う"松本の誇り"という歌詞が入る自身のチャントについては「僕からすれば、松本の誇りは松本のファン・サポーターの皆さん」と感謝した。

 さらに、背番号3を引き継いだ元日本代表DFの故・松田直樹さんについて問われると「最後、情けない形になってしまって。こんなボロボロな状態になってしまって、きっと天国から『情けねぇな』とか『だっせぇな』と言っていると思う」と偲んだ。

 23年間のプロ生活については「すぐには振り返れない。たくさんのことがあったので」として、生まれ故郷のクラブで「引退できることを嬉しく誇りに思う」としみじみ。「23年間、僕に関わってくれた全ての人に感謝したい。自分の生きざまは、このピッチに置いてきたと思っているので、これからの仲間に託していきたい」と締め括った。

 横浜F・マリノスや東京ヴェルディ、名古屋グランパスを経て2014年から松本でプレーした40歳の元日本代表DFは、最後の最後まで力強くチームを牽引し、スパイクを脱ぐ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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