異論は認める。J1“myベスト11”|進化し続ける36歳の家長。大迫の勝負強さと競り合いからマイボールにする力は別格【記者の視点】

2022年11月11日 唐沢裕亮

鈴木彩艶が試合に出られないのは日本の損失

唐沢記者選定のJ1“myベスト11”。MVPは川崎の家長昭博だ。(C)SOCCER DIGEST

 横浜の3年ぶり5度目の優勝で幕を閉じた今季のJ1リーグ。11月7日にはJリーグアウォーズが開催され、MVPの岩田智輝(横浜)を含むベストイレブンが発表された。その11人とは一線を画すような独自のセレクトを紹介。活躍度はもちろん、心に残るプレー、人柄や将来性、単純な好みなど……選定基準はなんでもアリ。東京新聞の唐沢裕亮記者が選定した「myベストイレブン」。異論は、認める

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GK 鈴木彩艶(浦和)
20歳にして迫力十分。たたずまいにも大物感が漂う。西川周作が健在とはいえ、浦和で試合に出られないこと自体が日本の損失だ。

DF 山根視来(川崎)
ホームの磐田戦で終盤に途中交代した時は周囲がざわついた。それだけ先発フル出場が当たり前となっているタフネスぶりとド根性は見事。

DF ジェジエウ(川崎)
結局は、このDFの長期離脱が川崎V逸の大きな要因だったと考える。不在時にチームが敗戦を重ねていたのが何よりの証拠。皮肉にも改めて存在の大きさを示した。

DF アレクサンダー・ショルツ(浦和)
最終ラインから持ち運ぶ力と、納豆までも好きになる日本への適応力は外国籍選手の鑑。

DF バングーナガンデ佳史扶(FC東京)
8月の柏戦で左サイドをエリア内まで駆け上がってダイレクトで蹴り込んだプロ初ゴールは、攻撃的SBとしての特長を遺憾なく発揮した一撃。プレーぶりからは想像できない腰の低さとシャイさが愛らしい21歳。測るたびに身長も伸びているという成長力?にも期待したい。
 
MF 稲垣 祥(名古屋)
言わずと知れたミドル職人。CKのこぼれ球を左足ボレーで叩き込んだ川崎戦のゴールが印象的だった。

FW アダイウトン(FC東京)
ラガーマンのような体躯で左サイドを猛進する突破の迫力とスピードは一見の価値あり。まさに「重戦車」。

MF 家長昭博(川崎)
36歳でキャリアハイの12ゴール。リーグ戦全34試合出場は立派。寡黙なタイプが、今季は自ら声を出して仲間に要求する回数が増えた。痛みを苦にせずピッチに立つ精神的な強さ、2、3人に囲まれても球を失わない技術。進化し続けるベテランが個人的にはMVPだ。

MF 満田 誠(広島)
積極的な仕掛けと猛烈プレス、ボールを奪われてもすぐに奪い返そうとする切り替えの早さは、日本代表に初招集されたE-1選手権でも目を引いた。

FW 大迫勇也(神戸)
ACLプレーオフや、降格の危機を抜け出すきっかけになったG大阪戦など、土壇場の決勝ゴールでチームを救う勝負強さはさすが。競り合ってからマイボールにする力もJ1では別格だった。

FW 鈴木優磨(鹿島)
試合後のミックスゾーンでいつも記者に囲まれていたのは、自分の言葉で実直にチーム状況や出来を語ってくれたからこそ。献身性の高いプレーだけではなく、ピッチ外でもチームリーダーとして振る舞う姿があった。

取材・文●唐沢裕亮(東京新聞)

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