「手術をしなくても6週間以上は…」W杯出場危機のソン・フンミン、韓国専門医たちが明かした“リアルな見立て”に不安が募る

2022年11月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

「超人的な回復力にかかっている」

左目周辺を骨折したソン・フンミン。驚異的な回復力をもってしてもW杯出場は厳しいか。(C)REUTERS/AFLO

 はたしてソン・フンミンはワールドカップ本番に間に合うのか。韓国のサッカーファンは気が気でない毎日を過ごしているだろう。
【画像】歓喜に沸くトッテナムの控室。ソン・フンミンも記念撮影に収まるが顔は異常に腫れ上がって…(右端が選手本人)

 ハプニングが起こったのは現地火曜日だ。チャンピオンズリーグ最終節、マルセイユ(フランス)の本拠地に乗り込んだトッテナム・ホットスパー(イングランド)は試合終了間際の決勝点で2-1の勝利を飾り、グループ首位突破を手繰り寄せた。

 その22分過ぎだった。トッテナムの韓国代表FWソン・フンミンが相手DFのシャンセル・ムベンバと空中戦で激突。屈強ストッパーの右肩が顔面をヒットし、ソン・フンミンはピッチに倒れ込んだ。数分の治療後、ソン・フンミンは無念の負傷交代を余儀なくされる。

 当初はさほど患部が腫れ上がっていないように見えたが、ファンが衝撃を受けたのは試合後のロッカールームで撮影された一枚の写真だった。歓喜に沸く選手たちとともにソン・フンミンも記念撮影に収まったが、大きく顔を腫らした痛々しい姿が映し出されていたのだ。

 クラブは翌日に「ソン・フンミンは左目の骨折箇所を安定させるために手術を受ける。術後はメディカルスタッフとリハビリに入る予定だ」と発表。これを受けて英国や韓国のメディアではワールドカップ出場を絶望視する向きが一気に強まった。かたや楽観論を展開する者も少なくなく、「フェイスガードを付ければ大丈夫」「大会途中からでも復帰はできる」といった意見もあるが、いずれにせよ、新たな情報の更新に神経をとがらせている。

 そんななか、韓国全国紙『スポーツソウル日本語版』が専門医による現実的な見解を紹介し、ソン・フンミンのワールドカップ出場の可能性を模索した。
 

 まず意見を聞いたのは、ソウルのJW眼科で院長を務めるチェ・ジョンウォン氏だ。「眼科骨折手術は通常、腫れが引いた1週間後に眼球陥没、複視、眼球運動の制限の程度によって決定する」とのことで、「手術時には骨折部位に挿入物を入れ、眼底組織が抜けないようにするために少なくとも4週間以上は必要だ」との私見を述べた。

 さらに、テジョンのセボム眼科院長で、整形部門の専門医であるノ・ジュンホ氏は、「(接触時の)映像を観ると、競り合う過程で相手選手の肩に顔面の左部分をぶつけたようだ。現地で眼窩骨折と診断された場合、頬骨や上顎骨周辺の骨折を疑わなければならない」と診断したうえで、次のように続けた。

「眼窩骨折は無条件に手術するわけではない。複視や顔面の輪郭の変化など、さまざまな機能上の問題を考慮するが、現地で手術を行なうとの決定が下されたのは、このような側面を総合的に判断してのことだろう。激しく運動する選手なだけに、二次負傷の恐れがある」

 同医師は一般論として、「骨折は手術をしない場合でも、6週間以上の回復期間を設けたほうが良い。医者の立場としては(プロテクターなどで)保護をするとしても、格別の注意が必要だと思う」とも付け加えた。

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