【日本代表のW杯仕様配置③】3-4-2-1が実はハマる。伊東純也や三笘薫も使えるWB次第で攻守のバランスを変更可能だ

2022年11月02日 白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト)

思い切って伊東純也と三笘薫をWBに回す手も

3-4-2-1に落とし込んだ日本代表W杯メンバー26人の配置。

 カタールW杯に臨む日本代表メンバー26人が、ついに11月1日に正式決定。いよいよ本番が迫ってきた。
 
 今大会は選手登録枠が23から26、交代枠が3から5に増加。またドイツ代表、コスタリカ代表、スペイン代表と同居する厳しいグループに組み込まれ、さらに怪我やもちろんコロナの問題で選手が離脱する可能性もある。スタメンはもちろん試合途中の変更を見据え、複数の起用法を用意しておく必要があるだろう。
 
 実際、森保一監督は発表会見の場で「総合的に考えて今のベストということで選考した。連係連動して戦うことができる、組織力で個の力を生かすことができる選手を選んだ」と語っている。
 
 そんな中で本稿では、4-2-3-1、4-3-3、3-4-2-1という3つのシステムに登録メンバー26人を当てはめた際に、どんな可能性があるかを3回に分けて探っていく。序列というよりも各ポジションでありえる配置を示していきたい。
 
 第3回は3-4-2-1だ。森保ジャパンではほとんど使われてこなかったシステムだが、アメリカ代表、エクアドル代表と戦った9月シリーズの試合終盤で採用。実質的に5-4-1に近いシステムで、CBをあえて5人選んだことを考えても、勝利やドローが見えたラスト15分以降あたりの守備的なオプションとして指揮官は計算しているはずだ。今回の26人に照らし合わせれば、逆に攻撃的なオプションとしても採用できそうだ。
 
 3バックは板倉滉、吉田麻也、冨安健洋がクオリティー的には最強で、この3人で最も危険な中央3レーンを埋めれば守備の安定感は格段に高まる。また、レフティーの伊藤洋輝と中山雄太はむしろこの3CBの左サイドが最も適正が高く、右利きの谷口彰悟はもちろん、有事の際は酒井宏樹も右CBに対応可能だ。
 
 WBは右が酒井、山根視来、長友佑都、左が長友に中山が基本。両サイドに対応でき、守備で計算できる相馬勇紀の存在も心強い。逆に1点が欲しい場面で超攻撃的にいくならば、思い切って伊東純也と三笘薫をこちらに回す手もある。
 
 セントラルMFは4-2-3-1の記事で説明した通り6人が対応可能。仮にドイツやスペインを相手にリードを奪い、金星を奪うためにとにかく守備的にいくなら、遠藤航と板倉のコンビが最も強固だろう。
 
 シャドーとCFはそれぞれ4人の起用が想定でき、複数の組み合わせが可能。試合途中からが基本のシステムだけに、その日のスタメンと交代枠の使い方によって顔触れが変わるはずだ。
 
 26人とのマッチ度を総合的に見ると、この3-4-2-1は4-2-3-1ほどではないにしろ、4-3-3よりもバランスが良い印象。WBの選択で攻守のバランスを変えられるだけに、守備的にいきながら逃げ切りに失敗して再びどうしても1点が欲しいシチュエーションになったとしても、人を変えれば即座に攻撃的なシステムとしても使える。
 
 W杯前最後のテストマッチとなる11月17日のカナダ戦でも、この3-4-2-1は是非とも試してもらいたいシステムだ。
 
文●白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト)
 
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