満田誠に訊いたルヴァンカップ優勝の要因。黄金期再来の期待が大きく膨らむ回答だった【広島】

2022年10月24日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

「いろんな選手がもらったチャンスをしっかりと生かした」

クラブスタッフも含め、全員でルヴァンカップ優勝を喜ぶ広島。チーム一丸となって獲得したタイトルだった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 ルヴァンカップ優勝は、サンフレッチェ広島の未来に特大の価値をもたらすだろう。

 満田誠の言葉でそんな期待が大きく膨らんだ。「グループステージから勝ち上がり、大会を通して見た優勝の要因は?」と訊くと、実に説得力のある回答が返ってきたのである。

「グループステージから本当にたくさんの選手が試合に出てきました。それこそ、自分も最初はサブスタートでしたが、ルヴァンカップでゴール決めたところから始まった。そういったチームの底上げができた。次々といろんな選手が、もらったチャンスをしっかりと生かした。経験を積みながら勝ち進んでこれたことが優勝につながったと思います」

 リーグ開幕2試合はベンチ外、ルヴァンカップ初戦の徳島戦でも7分しか出場時間を得られなかった満田が、飛躍のきっかけを掴んだのはグループステージ2節の名古屋戦。左サイドから華麗なコントロールショットをゴール右に決め、プロ初得点を機に出番を増やして主力に定着した。そして2-1で勝利したセレッソ大阪との決勝戦では、CKからピエロス・ソティリウの逆転ゴールをアシスト。「いろんな選手がもらったチャンスをしっかりと生かした」象徴的な選手だから、腑に落ちるコメントだった。
 
 そして満田が挙げたふたつ目の優勝の要因も、これまた明るい未来を予感させるものだった。

「前半に上手くいかなかった試合でも、勝ち上がってこれたのは、ハーフタイムでしっかりと修正して後半に入れたから。選手一人ひとりが(原因を)考えられていたし、スタッフの意見も聞いて、しっかりコミュニケーションを取れた」

 ルヴァンカップ優勝直後の会見で、ミヒャエル・スキッベ監督は「コーチ陣が素晴らしいんです」と語っていた。満田にコーチ陣からのハーフタイムの修正指示について訊けば「相手のウィークポイント、相手が嫌がるスペース、有効なポジショニングを伝えてくれます。指示どおりの立ち位置を取って、相手の守備がズレて、得点や勝利につながった」と明かしてくれた。

 戦力の底上げと修正力。ユニホームの左胸に星を増やしていくうえで重要となるふたつのポイントで、進んできた道が間違いではなかったとタイトルが証明した。自信を得たチームには、12、13、15年と3度のJ1優勝を果たした時代のような黄金期が再来すると、大きく期待できるだろう。

取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事