GKはつらいよ…クルトワがFWとの“格差”に再び苦言!「人々はストライカーにいち早く投票する」「小さなミスをした途端に…」

2022年10月23日 サッカーダイジェストWeb編集部

バロンドールを手にしたGKはただひとり

ヤシン・トロフィーを獲得したクルトワ(左)。バロンドールを受賞したマドリーの同僚ベンゼマ(右)と共に、セビージャ戦の前に表彰された。(C)Getty Images

 ベルギー代表GKティボー・クルトワが、バロンドールの選考基準に再び疑問を呈した。英メディア『SPORT BIBLE』が10月22日付けで伝えている。

 レアル・マドリーで正守護神を務める30歳は、度重なるビッグセーブで昨シーズンのラ・リーガとチャンピオンズリーグ制覇に大きく貢献。その圧倒的な活躍が称えられ、シーズン最優秀GKに贈られるヤシン・トロフィーを手にしたが、最注目のバロンドールではまさかの7位に終わった。

 授賞式直後、「セーブするよりゴールを決めるほうが大事みたいだ」「ゴールキーパーがこの賞を獲るのは不可能」と不満を露わにしていたクルトワは、フランス紙『L'Equipe』のインタビューで改めてオフェンス偏重を糾弾。「優れたゴールキーパーがいなければ、タイトルを獲れない。サッカーの賞では時にそれを忘れてしまう」と訴えている。

「人々はキーパーよりも、ゴールを決めるストライカーにいち早く投票するんだ。あまりに残念だ。でも僕たちはキーパーが本当に重要な存在だと示し続けるよ。昨シーズン、チャンピオンズリーグで優勝できたのは、ヴィニシウス(ジュニオール)や(フェデリコ)バルベルデ、(カリム)ベンゼマ、ロドリゴのおかげだけではない。クルトワのおかげでもあるんだ。

 現代のキーパーは、もはや1人でゴールを守れない。それにここマドリーでは、僕も攻撃の起点にならなければならない。最初のパスで、どのように攻撃を展開するか、どのように敵のプレッシャーから逃れるかを決めるのは僕なんだ。今日、自分はほとんどプレーメーカーであり、キーパーは人々が考えているよりもずっと重要な存在だ」
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 ゴールでミスを帳消しにできるストライカーに対し、GKは1つのミスが命取りになる因果なポジションだ。それだけに賞賛よりも批判を浴びやすい。

「キーパーがミスをすると、(新聞に)大きな文字で書かれるケースが多い。小さなミスをした途端に、彼のせいで試合が台無しになったと報じられるんだ。ストライカーも5、6回は簡単に得点できるチャンスを逃していたかもしれない事実を、途端に忘れてしまう」

 過去、バロンドールを手にしたGKは、1963年の元ソ連代表レフ・ヤシンただひとり。ヤシン・トロフィーの由来となったスーパーレジェンドである。今年のトップ10を見てもDFはゼロ、クルトワとMFのケビン・デ・ブルイネ、ルカ・モドリッチを除き、全員がFWだ。この先、この賞を手にするGKは現れるのだろうか……。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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