「びっくりしました。嬉しかった」“敵地”でも中村俊輔の引退に労い。本人は試合後に「早くしよ!」の声も

2022年10月23日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

“主役”は、はにかんだ笑顔を見せながらも…

アウェー熊本戦は4-3の逆転勝利。試合後には、俊輔を囲んで集合写真の撮影などが行なわれた。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

 最後まで、自分らしさを貫いた。

 10月23日、J2最終節でロアッソ熊本対横浜FCが、えがお健康スタジアムで開催された。18日に今季限りの引退を表明している横浜FCの中村俊輔にとっては"現役ラストマッチ"となった。

 俊輔はこの試合に先発出場。腕章を託され、3-4-2-1の右シャドーに入り、60分までプレー。ピッチを去る際には、スタジアム中から温かい拍手が送られた。

 試合は、横浜FCが一時は1-3とビハインドを背負う展開だったが、怒涛の反撃を見せたアウェーチームが4-3と逆転。背番号25の花道を飾った。

 そして試合後には、チームメイトは「25」が刻まれたスカイブルーのTシャツを着て、俊輔とともにサポーターの前に。「#ありがとう俊輔」「#Thank you NAKA」と綴られたボードを持ち、集合写真の撮影や俊輔の胴上げなどが行なわれた。
 
 この日の"主役"は、はにかんだ笑顔を見せながらも、余韻にどっぷりとつかるようなことはしない。アウェーの地であることを考慮してか、「早くしよ!」と周囲に声掛け。気遣いの人・俊輔らしい振る舞いである。

 ホームチームのセレモニーも控えているなかで、スタジアムの電光掲示板には、俊輔の現役引退を労う写真とメッセージが映し出される。

 俊輔自身は熊本側のホスピタリティに「びっくりしました。嬉しかったです」と感慨。敵・味方は関係なく、スタジアム全体で、偉大なフットボーラーを送り出した。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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