「正直、お客さんの数に大きな変化はない」浦和L・塩越柚歩が振り返るWEリーグの厳しい船出。「選手が何もやっていないわけではない」

2022年10月21日 手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

開幕節の相手、長野Lを警戒「すごく頑張るチーム」

2年目のWEリーグがいよいよ開幕を迎える。浦和Lの塩越は、開幕節の長野L戦に向け「最低限、走り負けない」と闘志を燃やした。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 女子プロサッカーリーグ『WEリーグ』が10月22日、ついに開幕を迎える。

 リーグ創立1年目の昨季は、2位に終わった三菱重工浦和レッズレディース。MF塩越柚歩は、「始めてのプロリーグで、優勝を目ざしていたなかでリーグ戦を獲れなかったのは悔しかったし、自分たちの勝負強さが足りなかった」と振り返り、「去年獲れなかったリーグは絶対に獲る」と新シーズンに向けて闘志を燃やしている。

 浦和Lは23日、開幕節でAC長野パルセイロ・レディースと相まみえる。昨季はリーグ戦で負けていない相手だが、塩越に油断はない。長野Lのスタイルを警戒する。

「昨季、対戦して、球際で絶対負けない気持ちの強さや、1試合90分間を通して、スタミナが落ちないというのを感じました。すごく頑張るチームだなという印象で、相手のペースに飲まれたら試合運びが難しくなるんじゃないかなと思っています」

 開幕戦に勝利して勢いに乗るためにも、攻守でアグレッシブにハードワークしてくる相手に対して、「最低限、走り負けないとか、球際で上回りたい」と意気込む。
 
「ハードワークや球際で負けていたら試合には勝てない。長野戦に向けて練習メニューが組まれているので、そこは意識していますけど、それだけじゃなくて相手以上に自分たちの攻撃の部分の良さは絶対にあると思うから、そこに自信を持って、自分たちらしいサッカーをすることが勝利への近道かなと思います」

 長野L戦は埼玉スタジアム2002で行なわれる。女子サッカーリーグがプロ化して2年目。塩越は昨季を振り返り、「プロリーグになってお客さんを増やしていこうというなかで1年間やってみて、正直、なでしこリーグの頃とお客さんの数が変わったかと言われたら、そこまで大きな変化はないと思っています」と率直な感想を語った。

 昨季はコロナ禍の影響もあり、観客数が1000人台の試合も多かった。苦しい現状を少しでも打破するべく、「選手たちにもできることがある」と塩越は語気を強める。

「選手が何もやっていないわけではないと思うんです。盛り上げるためにSNSでの発信をレッズレディースの選手たちも積極的にやっています。でもそれだけじゃなく、サッカーを見にきてほしいですし、自分たちが見ても面白いと思うようなサッカーは絶対にし続けないといけない。また行きたいと思うような試合をするのは、最低限、自分たちがやらないといけないことだと思っています」

 塩越は、「なかなか埼スタでやらせてもらうこともないですし、開幕戦で特別な試合だと思うので、たくさんのお客さんが入ってくれたら嬉しい」と願いを込めた。

取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

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