浦和L・塩越柚歩が2年目のWEリーグで新たな挑戦へ。慣れないボランチへの適応に決意「レベルを上げないと勝利に繋がらない」

2022年10月20日 手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

WEリーグカップ決勝ではプレーに納得いかず…

塩越は今季からボランチに挑戦。慣れないポジションに戸惑いながらもチャレンジを続ける。写真:滝川敏之

 WEリーグ2年目を迎える今シーズン。三菱重工浦和レッズレディースのMF塩越柚歩は新たな挑戦への一歩を踏み出している。

 浦和Lは10月1日、今季から創設され、リーグ戦に先駆けて行なわれたWEリーグカップで初代女王に輝いた。グループステージは3勝2分の無敗で1位通過。そして決勝では、3-3で突入したPK戦の末に日テレ・東京ヴェルディベレーザを下し、栄冠を手にした。

 決勝にフル出場し、チームの勝利に貢献した塩越は、「勝ち切れたのは、チームとしてすごく自信につながったと思いますし、リーグへの勢いづけという意味でもすごく良かった」と手応えを示す一方で、自身のプレーには納得いっていないという。

「WEリーグカップで初めてボランチを経験しました。決勝では、うまくボールを引き出して散らすところ、守備の行きどころ、自分のところでうまく守備ではめられていない部分など、課題が多く見えました」

 塩越は今季からボランチでプレー。もともとは持ち前のフィジカルやテクニック、ドリブルなどの武器を活かして、主にサイドハーフやサイドバックを務めていた。求められる仕事が大きく変わる慣れないポジションでのプレーに戸惑いもあったという。
 
「(ボランチでは)うまくボールを動かしながら、パスだったり、ドリブルで運ぶという仕事を求められる。今までサイドにいる時とは全然役割が違いました。守備でも、1対1での相手との対峙、球際の部分が増えたなかで、そこで勝ちきって自分たちのボールにできるかが大事なポジション。攻撃は得意なので意識せずにできるけど、守備の強度などは改善していかないといけないと思っています」

 チームの心臓となる重要なポジションだと理解しているからこそ、「自分がさらにレベルを上げてやらないとチームの勝利に繋がらない」と常に責任感を持って練習から取り組んでいる。そのなかで、チームメイトの温かいサポートにも救われている。

「ボランチの華さん(柴田華絵)や、光さん(猶本光)が練習や試合でも声をかけてくれる。WEリーグカップ決勝でもそうでしたけど、周りにサポートされながら、課題を自分自身で修正しています」

 塩越は2016年に浦和Lの下部組織からトップチームに昇格。今季で在籍7年目となる。これまでの自身の経験を踏まえて、支えてもらうだけではなく、周囲への気配りも心掛けている。

「去年は試合に絡んでいなかった選手が多く、試合勘がなかなか合わないシーンがすごく多いんです。なので、合わせてもらうのはすごく大事だと思うけど、若い子たちの良さを活かすためにもイメージの共有を自分から積極的にしています。練習中に、『今の動きはどういうイメージだった?』とか、『どういうふうにしたかった?』と聞いてみたりして、今まで自分がしてもらっていた分、若い子たちがプレーしやすいような環境づくりは意識的に取り組んでいますね」

 慣れないポジションへの適応や、チーム内での役割、意識の変化。24歳のMFはチームの勝利のため、チャレンジを続ける。

取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

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