「外に蹴ったら普通の選手だな」磐田の高卒ルーキー古川陽介が首位マリノス戦で決勝弾以外に披露したスゴ技とは?

2022年10月13日 野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

「自信は結構ある」

古川は大一番での数少ないチャンスで大きな仕事をした。写真:徳原隆元

[J1第27節]横浜0-1磐田/10月12日/日産スタジアム

 すべて途中出場でリーグ戦4試合目、80分に登場した19歳が土壇場で大仕事を成し遂げた。

 最下位に沈むジュビロ磐田は10月12日、J1第27節の横浜F・マリノス戦で1-0の勝利。首位相手に値千金の決勝弾を決めたのが、高卒ルーキーの古川陽介だ。

 スコアレスで迎えた84分、自陣からドリブルで持ち込むと、左サイドに走り込んでいた松原后にパス。折り返しを受けると、反転して右足を振り抜く。ボールは相手DFに当たって、そのままゴールに吸い込まれた。

 待望のJ初ゴールを劇的に奪った古川は試合後、アシストをした松原との関係の良さを交えつつ、ゴールシーンを振り返った。

「后君とは意識し合って、お互いに位置を把握している。自分がドリブルで行くか、后君を使うか。后君がオーバーラップしているのが見えた。自分を信頼してもう一回、使ってくれた」

 松原とはプライベートでも仲が良いようで、「一番よくしてくれて"兄貴"的存在」。金髪にしたのは「后君を意識して」と明かす。

 静岡学園高時代から、全国大会で披露した高校生離れのドリブルなど高い技術で注目を浴びてきた古川は"大物ぶり"を見せた。
 
 この試合ではチームのシュート数が少なったため、「自分が流れを変える」と意気込んでピッチに入り、決勝点を決めたシーンでは「今日はおれが行ったる!」という思いだったという。

 さらに、試合終了間際の90+5分には味方が相手のシュートをブロックしたこぼれ球を収めると、ドリブルで前進。相手陣内に入ると、チェックに来た岩田智輝をスピードで振り切った。

「外に蹴り出して時間を稼ぐか迷ったけど、ここで普通に外に蹴ったら、普通の選手だなと思って。武器を見せられたのかな」

 古川の才能はチームメイトからも高く評価されている。この日も、鈴木雄斗が「彼は本当に才能を持っている。うちのチームはみんな思っている」と語っていた。

 首位相手に番狂わせを演じたとはいえ、依然最下位でJ1残留争いでは不利な状況の磐田。次戦は順位が一つ上の17位にいる清水エスパルスと、アウェーでの"静岡ダービー"となる。

「自信は結構ある」という19歳の俊英は、「観客を楽しませるプレーと、チームを勝たせるプレー、両方できるように準備したい」と意気込んだ。

取材・文●野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

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