【日本代表】約9か月ぶり代表復帰の塩谷 “中に入る動き”で特大のインパクトを狙う

2015年10月12日 五十嵐創(サッカーダイジェストWEB)

「攻撃に出た時はシュートやパスなど、何かしらを残したい」

現体制で初の出場を狙う塩谷。持ち前の攻撃力をイラン相手に発揮できるか。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 10月13日に行なわれる親善試合のイラン戦では、様々な選手にチャンスが与えられる可能性が浮上している。約9か月ぶりに代表復帰した塩谷もそのひとりだ。所属クラブでは3バックの右を務めているが、代表で任されるのは右SB。負傷離脱中の内田が不在で、いまだ絶対的な存在がいないポジションである。
 
 塩谷の持ち味は高い身体能力を活かした守備対応とタイミングの良い攻撃参加。本職のSBではないため、クロス精度は未知数だが、一方でパワフルなシュートと意表を突いてエリア内に入っていく攻撃センスは非凡だ。ライバルの酒井宏や酒井高にはない特長で、本人もアピールポイントだと認識している。
 
「自分は預けてスペースに走るのが、一番しっくりくる。外を回っていく場面もあるだろうし、中を上がっていく場面もある。それはケースバイケースで、自分の判断で中にいけると思ったらどんどん行きたいと思いますし、状況に合わせていきたいと思います」
 
 代表でのトレーニング期間は限られており、なおかつイラン入り後の2日間は、シリア戦の先発組とサブ組のふたつのグループに分かれてトレーニングしたため、満足にコンビネーションを確認できたわけではない。しかし、「(本田)圭佑くんだろうと誰だろうと、上手くコンビネーションできるように常に意識してやっています」とイメージはできている。
 
「もっと自分から要求もしていかなきゃいけないと思いますし、もっとこうしてほしいとか意見も聞きたいと思っています」とチームメイトとのコミュニケーションも積極的だ。
 
「中に入る」特長をチームメイトに理解してもらえば、それは日本代表にとっても新たな武器になる。ボールをキープする本田の内側を走ってゴール前に進入し、豪快なシュートで仕上げる――。所属クラブの広島では日常的な風景でも、日本代表では滅多にお目にかかれないシーンだ。もちろん、守備のタスクはおろそかにできないが、塩谷がライバルたちを押しのけるには、それくらいの強烈な活躍が必要だろう。
 
「攻撃に出た時はシュートやパスとか、なにかしら残していけたらなと思っています」
 
 特異なストロングポイントを備えたSBは、虎視眈々と狙っている。代表定着を引き寄せる強烈なインパクトを。
 
取材・文:五十嵐創(サッカーダイジェストWeb)
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