「ちょっと不思議な感じ」大岩Jで再会を果たした本田風智、松岡大起、大畑歩夢の“鳥栖三人衆”「自分たちが最前線で示していけるように」【U-21代表】

2022年09月26日 松尾祐希

「また3人が同じチームで戦えるのは嬉しい」

U-21代表で再び、同じユニホームを着て戦う松岡(左)、本田(中)、大畑(右)。多くのタレントを輩出してきた鳥栖アカデミー出身のトリオだ。写真:松尾祐希

 幼い頃から九州の地で鎬を削り、高校年代で初めてチームメイトになった。鳥栖U-18から巣立って早3年。今はそれぞれ別々のチームで活躍する3人が、ヨーロッパの地で再び同じユニホームに袖を通し、日の丸を背負って戦っている。

 現地時間9月26日に、欧州遠征の最終戦となるU-21イタリア代表との試合を控えるU-21日本代表。22日のスペインでのU-21スイス代表戦(1-2)を終え、23日の深夜にイタリアのカステル・ディサングロに入った日本チームの面々は、イタリア戦前日となる25日のトレーニングでも精力的に汗を流した。

 この日は冒頭15分のみ公開。選手たちはセットプレーなどの確認に時間を割くなど、イタリア戦に向けて最後の調整を行なったようだ。

 欧州遠征も残すところあと1日。今回の活動では競争心を保ちながら、良い意味で選手たちの仲の良さが随所に見られている。そのなかでも目を引いたのが、鳥栖U-18でチームメイトだったMF本田風智、MF松岡大起、DF大畑歩夢の3人だ。

 彼らは高校3年次にはU-18高円宮杯プリンスリーグ九州で優勝を果たし、その年のプレミアリーグ参入プレーオフの決勝では、松岡が0−1から後半アディショナルタイムに劇的な同点ゴールを奪ってチームの初昇格に貢献した。

 それぞれがU-18からトップチームに昇格。そして現在は、松岡が昨季途中から清水、大畑が今季から浦和でプレーしており、本田以外は慣れ親しんだクラブを離れている。

 そんな3人は、大岩剛監督が率いるU-21代表チームの発足当初からリストに名を連ねていたが、怪我やコンディション不良で彼らが揃う機会はなかった。

 だからこそ、ようやく再会できたことに感慨深いものがあるのだろう。大畑は言う。

「なんかちょっと不思議な感じというか(笑)。高校で同じチームになったけど、本田選手は小学校の時から知っていて、松岡選手は試合で対戦していたので顔を知っていました。(仲間たちとの再会は)やっぱり嬉しいし、楽しさがあります」
 
 他の2人も同じ想い。それは松岡の言葉からも見て取れる。

「やりやすさと懐かしさは感じました。自チームではないけどチェックはしていたし、実際にプレーしてみて、一人ひとりが鳥栖でプレーしていた時よりも成長していると実感したんです。なので、また3人が同じチームで戦えるのは嬉しいですね」

 それぞれの場所で成長を遂げ、一歩ずつ前に進んでいる。だが、離れたとしてもパーソナリティは変わっていない。

「同じ日本代表のユニホームで戦うのは、なんか変な感じがあるんですけど、人柄であったり、プレースタイルは変わっていない。やりやすさはすごくあります」(松岡)

 スイス戦では3人が揃って先発で出場。松岡はアンカー、大畑は左SB、本田は左のインサイドハーフでプレーし、彼らの好連係からチャンスを作るシーンもあった。

 しかし、試合は1−2で敗れ、悔しさを味わった。次のイタリア戦こそ、勝利に導けるか。日の丸を背負う3人が活躍すれば、サポーターはもちろん、鳥栖のアカデミーに所属する後輩たちにとっても最高の刺激になる。

「鳥栖のサポーターもそうですし、鳥栖のアカデミーの子たちが見て、刺激になればいいなって思うんです。自分たちの活躍が記事になれば、いろんなことが変わってくるはず。自分たちが最前線で示していけるように頑張っていきたい」とは松岡の言葉。

 イタリア戦では、チームの勝利のために戦うのはもちろん、鳥栖の未来を担う後輩たちの道しるべになるような活躍を見せられるか注目だ。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)

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