【藤田俊哉の目】強烈に放たれるゴールの“匂い”。エクアドル戦、堂安律を「9番」でテストするのも一案

2022年09月25日 藤田俊哉

「環境が人を育てる」は、全てに通じるものと考えている

アメリカ戦は途中出場の堂安。結果は残せなかったが、強烈にゴールの“匂い”を感じさせる選手だ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[キリンチャレンジカップ]日本 2-0 アメリカ/9月23日/デュッセルドルフ・アレーナ

 まずは私事で恐縮だが、このたびジュビロ磐田のスポーツダイレクターに就任することになった。「クラブのために力を貸してほしい」。思い入れのあるクラブからオファーを受けた時、その言葉に心を動かされ、情熱がものすごく湧いてきた。

 肩書きのとおり、僕が担うべき仕事はチームマネジメントとしてクラブ再建のためにサポートすること。重責とともに、大きなやりがいを感じている。持てる力と覚悟をもって、お世話になったクラブに恩返しするつもりだ。

 最優先でやるべきことは、J1残留に向けて、選手のコンディション作りのための「環境」を整備していくことだ。選手が思い切りプレーできる環境が、良いサッカーをする大前提であるというのが僕の信念である。

「環境が人を育てる」とは、僕の実体験に基づく大切な言葉である。これはサッカーのみならず、全てにおいて通じるものと考えている。

 その点で言えば、日本代表も例外ではない。
 
 Jリーグから海外へと移籍していく選手が年々増えているが、彼らの成長スピードは凄まじく、日本代表のメンバーやスタメンの顔ぶれも、目まぐるしく変わっている。

 カタール・ワールドカップまで2か月を切った。この時点で注目すべきは、選手の組み合わせとメンバー争い。群雄割拠と言えば聞こえはいいが、選手たちの気持ちは複雑だろう。

 レギュラーポジションが約束されている選手などいないが、やはりヨーロッパで揉まれている選手は、日本代表でも安定したパフォーマンスを見せているので、メンバー入りの可能性が高い。

 2-0で勝利した23日のアメリカとの試合を見ても、そのことは明白だ。

 この日、森保監督は4-2-3-1を採用。チェルシーのMFクリスティアン・プリシックが負傷離脱したアメリカのチーム力は、戦前の予想をはるかに下回ったとはいえ、日本は危なげないゲーム運びでアメリカに完勝した。

 守備陣がアメリカをシュート4本に抑えた要因は、最終ラインに戻ってきたアーセナルの冨安健洋、ダブルボランチのシュツットガルの遠藤航、スポルティングの守田英正の存在が際立っていたこと。シュツットガルトの伊藤洋輝もしかり。

 フランクフルトの鎌田大地のパフォーマンスも良かった。今季、鎌田や守田はチャンピオンズリーグでも堂々と活躍できているのだから、当然かもしれない。
 

次ページ目標はW杯ベスト8以上。ミッションを完遂するには…

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