シリア戦を終えて――本田「相手によって前半でスタイルを変えられるようになれば、もっと強いチームになる」

2015年10月09日 サッカーダイジェスト編集部

「後半は僕が中に入らないとできないプレーを何度か見せられた」

本田は後半になって主戦場の右サイドにとどまらず、中央や左サイドにも侵入して攻撃に変化を加えた。その経緯と意図とは? 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 ワールドカップ・アジア2次予選の日本対シリアは10月8日、オマーンのマスカットで行なわれ、日本は3-0で勝利した。
 
 この日、1ゴール・1アシストを記録した本田のコメントをお届けする。

【PHOTOギャラリー】シリア 0-3 日本
 
本田圭佑(ミラン/FW)

――前半と後半を振り返って。


「前半と後半(の違い)は、もちろん相手がバテたっていう分析もできると思うんですけど、こっちのやり方も明らかに変えて。前半は(選手間の)距離感が遠くて、後半はそこをちょっと両サイドの原口と僕が中に絞ることで、(パスを)当てる的を増やしました。蛍(山口)、僕、真司(香川)みたいな前半なかったような流れから、一気に真司が前を向いてという形で、効果的に相手を崩せました。もちろん、それを前半からやっても相手も元気だったんで、取られる場面も増えたかもしれないですけど。ただ、どうせ取られるなら、(選手間の)幅を広くして孤立してボールを奪われるのではなく、日本らしい攻撃スタイルを仕掛けて失敗して、でもコンパクトにしてるから取り返せる、みたいな形のほうがよかったかなと」
 
――前半からやるべきだった?

「まあ、前半からやるべきだったかなと思うんですけど、でも、なかなか難しいですよね。シンガポールみたいに引かれると、今度は幅を取ったほうがよかった、みたいなことも言えるので。シリアがあれだけ積極的にくるとは思ってなかったというのが正直な感想。前半、シリアはけっこう強気にきましたよね。だから、後半になってバテたのは当然だと思いますけど」
 
――距離感の話は、選手間で話した?

「監督の話として出ました。ハーフタイムにもっと中に入れ、距離感が遠いと。それは前半に選手たちも感じていたことで。でもやっぱり、全部が中ではダメだと思いますけど」
 
――実際、後半は本田選手が右サイドから左サイドまでいって、宇佐美選手や香川選手とのコンビで何度か良い形が作れていました。

「後半は僕が中に入らないとできないプレーは、何度か見せられましたね。外に張っていても僕みたいなタイプは、とくに何も見せられないで終わってしまうことがだいたいなんで。とくに僕みたいなタイプは中に入っていったほうが、チームとしてもよりコレクティブに機能すると思います。でも、原口みたいにドリブルが得意な選手がいるサイドは、逆に張ったままとか、使い分けがあるとさらにいい。チームとして攻撃パターンが両極端になるのではなくて、相手によって前半の中でスタイルを変えられるようになれば、もっと強いチームになるかなと。そういう反省点はありますね」
 
――中央に絞ってプレーするイメージは、前半からあった?

「そうですね。わかってはいたんですけど、このままでもいけるかなっていうのは、選手側としてはあったんですよね。でも、実際はミスが出てしまったし、やっぱり距離感が遠かったねっていう。結果論ですけど。まあでも、こんなもんちゃあ、こんなもんなんですけどね」
 
――集団競技の難しさですよね。

「そうですね。反省点です」
 
――前半と後半でしっかり攻撃スタイルを変えられたというのは、進化のひとつと見ていいか?

「そうですね。う~ん、監督も言っていますけど、ホントは代表でもっと練習が積めたらいいですよね。でも、まあそれはどの国も平等なんで、言っても仕方がないんですけど。とはいえ、国によっては、クラブに帰っても同じようなメンバーでやってるとこもあるじゃないですか? 日本代表は最近やっと、2人くらいが同じクラブという状況がマックスになったんですかね。でもそれが、3人、4人、5人、しかもそれがビッグクラブになってくれば、それこそ強い時代が来ると思います。そこを目指していくべきですね」
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