南野拓実はタレント揃いのモナコでレギュラー争いを勝ち抜けるか? 指揮官が語る可能性「タキにはインテリジェンスがある」

2022年09月19日 河治良幸

南野の活躍にスタジアムのサポーターが沸く

日本人対決で待望の移籍後初ゴールを挙げた南野。チームの3点目もアシストするなど、存在価値を証明した。(C)Getty Images

 現地時間9月18日に行なわれたリーグ・アンの第8節、伊東純也を擁するスタッド・ドゥ・ランスとのアウェーゲームで、3-0の勝利を飾ったモナコで南野拓実が待望の移籍初ゴール。さらにアシストも決めて存在価値をアピールした。

 ホームのランスは、ブラッドリー・ロッコの退場で1人少なくなり、アレクサンドル・ゴロビンのゴールでモナコが1-0として迎えた65分に、そのゴロビンに代わり、モナコのフィリップ・クレマン監督は南野を投入した。

 終盤になり、追いかけるランスが3-4-2のハイリスクなフォーメーションで攻勢に出た裏を狙い、南野は87分にカウンターから、スイス代表ブレール・エムボロのパスに反応して抜け出し、GKイェバン・ディウフとの1対1を見事に制した。さらに3分後には、キャプテンのフランス代表FWウィサム・ベン・ヤーデルによる3点目をアシストした。

「タキにはインテリジェンスがある」とクレマン監督。伊東のヘンク時代の恩師でもある指揮官は、ここまで南野をあまり多く起用できていない理由に、"欧州でもトップレベル"と自負するハードなフィジカルトレーニングによる疲れを挙げたが、「徐々にフィットし、今日はゴールとアシストを決め、彼にとってパーフェクトな結果だったと思うし、それはすごく大きなことだ」と評価した。
 
 ベン・ヤーデルとの関係性についても「彼ら2人の素晴らしいフットボールプレーヤーが初めて今日、良い連係も見せた」と語り、ここからさらなる高まりに期待を抱いているようだった。ランスのオーギュスト・ドゥローヌ・スタジアムには、モナコからも多くのサポーターが応援に来ており、終盤に見せた南野の活躍に沸いていた。

 南野は多額の移籍金で獲得した選手でもあり、モナコからの期待は間違いなく高い。ただし、クレマン監督も南野が1人で全てを解決するようなドリブラーではなく、周囲とのコンビネーション構築が活躍には不可欠であると考えている。

「周りとの連係が重要だと会見でも話したところだ。ディフェンダーやミッドフィルダーが新しいチームに来た時もそうだが、アタッカーが新天地に加入した時には連係面がとても大事。お互いが理解して、何を求めているか、どうすればもっと良くなるかを知り合うことに時間がかかるし、徐々に適応していくと思う」
 

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