「タケの登場で攻撃の怖さが増した」圧巻初アシストの久保建英、ソシエダ番記者が賞賛する“凄さ”とは? 「プレー以外で印象に残ったのが…」【現地発】

2022年09月18日 ミケル・レカルデ

幅広い活躍を支えているのが集中力や競争心といったパーソナリティ

途中出場で決勝点をお膳立てした久保。(C) Getty Images

 技術的に優れた選手、身体能力に恵まれた選手、インテリジェンスのある選手、戦術理解力に長けた選手――。サッカー選手には様々なタイプがいる。

 そんな中、今日のサッカーシーンにおいて特に評価されているのが、万能型の選手だ。それは複数のポジションをこなせるユーティリティ性にも、先発、交代出場を問わず、チームに貢献できる使い勝手の良さにも置き換えられる。

 そう、タケ・クボ(久保建英)が今夏レアル・ソシエダに加入して以来、発揮している能力だ。さらに彼は生まれながらの才能とセンスの持ち主だが、その幅広い活躍を支えているのが集中力や競争心といったパーソナリティだ。

 マンチェスター・ユナイテッド戦を終えてオモニア戦を迎えるまでの1週間、ソシエダは非常に難しい時期を過ごした。補強の目玉のウマル・サディクと期待のホープのアンデル・マルティンが揃って膝を負傷し、アンデル・バレネチェアが1月にメスを入れた箇所に違和感を訴え、戦列を離れた。マンチェスター・ユナイテッド戦の前に左足を痛めたルビン・ル・ノルマンも戦線を離脱したままだ。

【関連動画】久保がユナイテッド戦で披露した、2人を抜き去って鋭いクロス&PK奪取に繋がる秀逸パス

 重苦しい空気を吹き飛ばす白星を欲していたチームにとってオモニアは格好の相手だった。実力的にはスペインの3部レベルに相当し、イマノル・アルグアシル監督もその相手との力関係を踏まえて、4日前のヘタフェ戦からスタメン6人を変更。アンデル・ゲバラ、アシエル・イジャラメンディ、そしてズビエタ育ちの新たな宝石、ホン・カリカブルが今シーズン初先発を飾った。

 ただ問題は、ソシエダはメンバーを落としたり、力をセーブしたり、対戦相手に合わせた戦い方で白星をもぎ取れる試合巧者ではないことだ。得点力不足がその傾向をさらに加速させ、この一戦でも、前半チャンスを得たのは、ゴールシーンを含め3度だけ。後半も、アルグアシル監督の選手交代も功を奏することなく、低調な内容が続いた。

 おまけにアマチュアレベルの守備対応で同点を許し、窮地に追い込まれたが、79分のアレクサンダー・セルロトのゴールで再び勝ち越し何とか勝点3をゲットした。

 ソシエダが苦戦を強いられたのは、タケが先発を外れたこととも無関係ではない。彼の長所の一つがいつも同じペースでプレーできる点にある。強化試合も公式戦も、格下も強豪も関係ない。

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