【日本代表】シリア戦で抜擢もあるか? ザルツブルクで結果を残す南野が進化した理由

2015年10月07日 五十嵐創(サッカーダイジェストWEB)

シュート意識が向上し、リーグ戦では6ゴール。

初招集の南野は10月6日のトレーニングに合流。酷暑のオマーンで精力的に汗をかいた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

「この暑さは普通だね。ちょっとマスカットを外れれば、暑い時なら50度になるところもある」と現地民が言うオマーンの気候に、期待の新星も少し参っていたようだ。

 チーム合流は、他のメンバーから遅れること約1日。10月6日に、初めてA代表のチームメイトとのトレーニングに挑んだ南野拓実は、「(この気候は)慣れないですね」と苦笑混じりに答えた。しかし、その余裕ある受け答えには、代表初招集とは思えない確かな自信も漂っていた。
 
「憧れのところでもありましたし、そこに来られて嬉しいという気持ちが素直にあります」。本人がそう語る初のA代表招集ながら、今季のリーグ戦では選出も納得の結果を残している。ハリルホジッチ監督が「一番面白いのは、ボールがないところの動き。常に、得点を取る、取らせるポジションにいる」と評価するシャープな動き出しと精度抜群のシュートを武器に、オーストラリアリーグで奪ったゴールは実に6。得点ランク2位に入る成績だ。
 
 もともと、C大阪でプレーしていた昨年からゴールへの意識は高かったが、今年2月のザルツブルク移籍を機に、さらに「格段にレベルアップした」と本人は言う。
 
「切り替えのところだったり、球際とか、ゴールに速く行くプレーは海外に行ってから格段にレベルアップしたと思っています。そういうのも含めて今の結果があると思っています」
 
 所属クラブでレギュラーを獲るために、クラブの戦術にアジャストして少しずつプレーの選択肢を増やしたことが結果につながった。とりわけ、以前と変わったのがシュートに対する意識だ。
 
「昨シーズンが終わってから、遠いサイドからでも狙わないといけないとはずっと思っていました。それを今シーズンは意図的に狙っていたし、ゴールにつながったものもある。ファーストインスピレーションでシュートが浮かんだら、迷わず打つことが大切というのを自分の中で気づいたことで、今シーズンはその流れで打てているし、スムーズにシュートまで行けているところは、前とは変わったところかなと思っています」
 
 新たなフィニッシュパターンを身に付けたことでパフォーマンスレベルが上がり、その活躍が代表監督の目にも止まったというわけだ。

 ポゼッション率で優位に立ちながらも、「ゴール前の効率性というところで、我々はハイパフォーマンスを見せられていません」というハリルホジッチ監督が、「だから彼が必要です」と名指ししたのも頷けることで、2次予選の山場・シリア戦での抜擢があったとしても、まったく不思議ではないだろう。

 南野本人も「試合に出られればチームために100パーセントプレーしますし、チームとしてもしっかり勝って終れるように頑張っていきたいと思います」と意欲的だ。

次ページ「ミスを減らして自分たちのサッカーをすることが重要」とアジア予選へのイメージもできている。

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