独紙の辛口評価 大敗のドルトムント香川に「創造性とゴールへの脅威? そんなものはなかった」

2015年10月06日 山口裕平

ボール関与回数は先発メンバー中10番目という少なさ。

バイエルンとの首位攻防戦に臨んだドルトムントは、成す術なく大敗。香川も精彩を欠く内容に終始した。(C) Getty Images

 今やドイツ国内だけでなく世界中から注目を集めるようになったバイエルン対ドルトムント。優勝争いの行方を大きく左右するこの一戦は、バイエルンがドルトムントを5-1で下し、圧倒的な強さを見せつける結果となった。
 
 この重要な一戦に向けてミッドウィークのヨーロッパリーグに帯同しなかった香川真司は、開幕から8試合連続の先発出場。しかし、なかなか見せ場を作ることはできず、後半開始早々に2点差とされると53分に交代となった。現地報道からそのプレーを振り返りたい。
 
 大衆紙『ビルト』と専門誌『キッカー』の二大メディアはともに香川に対して5点の低評価を下した(ドイツでは1が最高で6が最低)。『ビルト』は、チーム最低点が5失点を喫したGKビュルキの6点で、最高点も1得点をマークしたオーバメヤンらの4点に留まり、チーム全体として厳しい評価がなされた。
 
『ビルト』は香川について「この小さな日本人からは非常にわずかなプレーしか見られず、危険なアクションはなかった」と記している。事実、この試合の香川のボール関与回数は23回に留まっている。これは交代で入ったロイスよりも少なく、90分ペースに換算しても約39回と先発メンバーで10番目の少ないペースだった。
 
『キッカー』は前節までの平均点が2.57とチームで3番目、リーグ全体で10位と高い評価を与えてきたが、ここへきて厳しい評価となった。
 
 ドルトムントの地元紙である『ルールナハリヒテン』もチーム最低点タイの5点と厳しい評価を下した。同紙は香川について「52分間で22回のボールタッチ(公式の記録では53分間で23回)で1対1にはほとんど勝利しなかった(公式記録では2回)。今日はこの日本人の日ではなかった。シャビ・アロンソに(守備面では)付きっきりだったが、一方で(攻撃面では)物足りなかった。創造性とゴールへの脅威? そんなものはなかった」と寸評を加えている。
 
 試合後に自身が認めたように、香川は相手の攻撃の起点であるシャビ・アロンソをマークする役割を与えられ、守備面ではそれをしっかりと遂行していた。しかし、攻撃面ではまったくと言っていいほど機能せず、その部分を厳しく追及された。

次ページシャビ・アロンソ封じへの言及はあるものの、やはり攻撃面での貢献が求められている。

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