【バイエルン番記者】レバンドフスキの偉業にもペップの胸中は複雑!?……

2015年10月01日 パトリック・シュトラッサー

史上最速で大記録を達成したポーランド人に指揮官が望むこと。

 第7節のマインツ戦(3-0で勝利)で、ロベルト・レバンドフスキはブンデスリーガにおける通算101得点決めたが、これは特別な記録である。
 
 2得点のうちの1点目を決めた後、彼はユニホームをめくり、下に着ていた「100」と書かれたTシャツを誇らしげに見せつけた。
 
 100得点という偉大な記録を達成するのにレバンドフスキが必要としたのは、"わずか"168試合だった。これより早く、この数日に達した外国人選手は他にいない。ジオバネ・エウベル、クラウディオ・ピサロ、シュテファン・シャプイザでも、成し遂げられなかった。
 
 レバンドフスキの"ゴールコレクション"は、5年前の2010年9月19日、ドルトムントのユニホームを着ていた時に始まった。
 
 そんな彼にとって先週は、夢のような1週間だった。ヴォルフスブルク戦で8分58秒の間に5ゴールを挙げたという事実は、今後、永遠に語り続けられるだろう。ブンデスリーガの長い歴史における初の事象は、おそらく今後も唯一無二の大記録となるはずだ。最も速いハットトリック、最も速い4連発、最も速い5得点……。
 
「いつでも完全に集中して、次のチャンスを待っていなければならない」
 
 レバンドフスキはこう、成功の秘訣を明かした。また、「いつもポジティブに考えること。すぐに次のゴールが決まると信じなくてはならない」とも付け加えている。
 
 2試合――ヴォルフスブルク戦は途中出場だったから1.5試合というべきか――で7ゴール。これを最後にやってのけたのはマリオ・ゴメスで、2011年のことだった。
 
 シーズン最初の7試合で10得点を挙げたのは、過去を振り返っても、レバンドフスキ以外に1人しかいない。ドイツの伝説的ボンバー、ゲルト・ミュラーである。
 
「このように得点し続けてほしい」
 
 今回の大記録達成に際し、監督の"ペップ"グアルディオラはレバンドフスキに称賛の言葉を送った。
 
 しかし、その後にこう付け加えたことを見逃してはならない。
 
「私は彼に、得点することだけを考えてほしくない。ロングボールの時にはボールを奪い、他の選手たちのパス、クロス、得点チャンスにも焦点を合わせてほしい。チームのためにベストのことをしてくれれば、私は満足する」
 
 この発言は、ふたりの微妙な関係を示すものである。
 
 レバンドフスキの"必殺仕事人"的なクオリティーを、グアルディオラは高く評価している。しかし、このスペイン人指揮官が理想とするFW像――コンビネーションプレーに強い――に近いのは、マリオ・ゲッツェの方なのだ。ゲッツェは、レバンドフスキよりもリオネル・メッシに近い……。
 
 グアルディオラはレバンドフスキに、さらに多くのことを求めている。もっとゲームに絡み、もっと多くボールに触って、もっとコンビネーションを確立することを――。
 
 ペップの下では、CFの立場はなかなか容易ではない。それは、ズラタン・イブラヒモビッチとマリオ・マンジュキッチの例が示すところである。
 
文:パトリック・シュトラッサー(アーベントツァイトゥング)
翻訳:円賀貴子
 
Patrick STRASSER|Abendzeitung
パトリック・シュトラッサー/1975年ミュンヘン生まれ。10歳の時からバイエルンのホームゲームに通っていた筋金入りで、1998年にアーベントツァイトゥングの記者になり、2003年からバイエルンの番記者を務める。2010年に上梓した『ヘーネス、ここにあり!』、2012年の『まるで違う人間のように』(シャルケの元マネジャー、ルディ・アッサウアーの自伝)がともにベストセラーに。
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