「彼は号泣していた」中国超級リーグで主審に“報復タックル”のブラジル人FWに厳罰が下る!「12か月の出場停止は史上最長」

2022年08月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

危険なファウルを無視した主審に激高し、我を忘れてしまったか

温和な性格でファンやチームメイトからの信望が厚かったというドゥラード。それでも試合中の暴力行為は許されざる蛮行だ。(C)Getty Images

 現地8月26日午前、中国サッカー協会がひとつの声明を発表した。中国スーパーリーグの河南嵩山龍門に所属するブラジル人FWドゥラードに対して、「12か月の出場停止」と「20万元(約400万円)」の厳罰を言い渡したのだ。中国メディア『捜狐体育』によると、出場停止期間も罰金額も同リーグの選手に課せられたものとしては史上最高値だという。
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 問題のプレーが起こったのは、8月21日のリーグ第14節、アウェーの武漢長江戦である。河南の0-2で迎えた16分だった。ドゥラードは突如猛然とダッシュして、あろうことか馬寧(マ・ニン)主審に後方から強烈な体当たりを食らわせたのだ。その3分前に主審から激しい口調で注意を受けるなど伏線があり、タックルの直前には武漢DFの明らかなバックチャージを目の前にいた主審にスルーされ、我を失って激高したとされているが、情状酌量の余地がない蛮行だった。

 体当たりした直後、偶然を装って両手を広げたポーズを示したのも心証を悪くした。主審はVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)からの連絡を受けて状況を把握すると、ドゥラードに当然のごとく一発退場を命じた。過去の例から見て「最低でも8か月の出場停止」と目されていたが、丸1年という厳しいペナルティが宣告されたのである。

 河南とドゥラードの契約は2023年末まで残っているが、『捜狐体育』は「現実的に12か月もプレーできない選手を保有などできない。契約解除は免れないだろう」と見ている。一方で、「彼はクラブ、ファンと固い絆で結ばれてきた。チームメイトたちからも罰が重すぎるという意見が噴出しており、ドゥラードの優しくて温和な性格などをSNS上で説明する動きが活発化。中国協会に減刑を嘆願するファンも続出している」と伝えた。
 

 さらに、「日ごろから馬寧主審の不明瞭なジャッジと高圧的な態度に不満を持っている選手やファンは多く、ドゥラードへの同情的な声も少なくない」と続けている。

 後方からの危険なタックルを受けて、3年前の悪夢がフラッシュバックしたのかもしれない。ドゥラードは2019年シーズンに同様のファウルによってスネを骨折し、復帰まで1年以上を要するキャリアの危機に瀕した。『捜狐体育』は「目の前で見ていたにもかかわらず、残虐なバックチャージを無視した馬寧主審を許せなかったのだろう」とも記している。

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