ドルトムント、土壇場の失点で首位バイエルンとの勝点差は4に広がる

2015年09月28日 遠藤孝輔

もどかしい展開からオーバメヤンの2得点で逆転に成功したが。

 ブンデスリーガ7節のラストゲーム、ドルトムントが本拠地ジグナル・イドゥナ・パルクにダルムシュタットを迎えた一戦は、大方の予想を覆すドロー決着となった。
 
 首位バイエルンを追うホームチームにとっては、手痛い2試合連続の引き分け。90分に起死回生の同点弾を叩き込んだアウェーチームにとっては、勝ちに等しい結果となった。
 
 先手を取ったのはダルムシュタット。17分、自陣のバイタルエリアでボールを奪うと、ラウシュの縦パスに抜け出したMFゴンドルフが正確なクロスを供給し、右サイドハーフのヘラーが見事なボレーをネットに突き刺した。
 
 リードしたダルムシュタットはその後、1トップを除く9人で2ラインを形成し、リトリートへの傾斜を強める。ペナルティーエリアの5~10メートル手前に設定した最終ラインと2列目間をコンパクトに保ち、自陣でのボール奪還を目指すディフェンスを徹底。選手全員の守備意識が高く、時にはCFヴァーグナーも低い位置での守りに奔走した。
 
 対するドルトムントは、ボールを圧倒的に支配して、左右への揺さぶりやミドルで打開を図るが、肝心のゴールが決まらない。60分には香川のヘディングによる落としを受けたムヒタリアンがエリア内で左足シュート。しかしこの一発は、ダルムシュタットのGKマテニアの好セーブに阻まれた。
 
 手数を出しながら追い付けない、もどかしい展開に終止符を打ったのは63分。香川がエリアのやや左手前から右サイドの最深部に対角線上の浮き球を送り、右SBのギンターがダイレクトで中央へ折り返す。そのパスを受けたオーバメヤンがワンタッチでゴールを射抜いて、スコアを振り出しに戻した。
 
 同点ゴールを奪った余勢を駆り、71分には勝ち越しに成功する。途中出場のヤヌザイが中央の狭いスペースをこじ開ける正確なラストパスを送り、裏に抜け出したオーバメヤンが豪快な右足シュートで2点目を挙げてみせた。
 
 しかし、これで試合は終わらない。前に打って出るしかなくなったダルムシュタットが90分、センターサークル内で得たFKのチャンスをモノにしたのだ。ゴールを奪ったのは、気迫のこもった守りを見せていた主将のスル。味方2人を経由して、自身の足下にこぼれてきたボールを冷静にゴール左隅へと蹴り込んだ。
 
 2試合ぶりとなる勝利を目前にしながら、土壇場で2ポイントを失ったかたちのドルトムントは次節、勝ち点4差に開いたバイエルンとの天王山に臨む。
 
文:遠藤孝輔
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