「必ず逆転できると…」広島、ガンバ戦でビハインドもベン・カリファ&満田は勝利を確信。何が選手たちを信じさせたのか

2022年08月21日 寺田弘幸

圧倒的多い後半の得点数。“信じられる”ワケはこれまでの結果に

ベン・カリファ(左)と満田(右)は、G大阪戦でビハインドを負うなかでも、「逆転できる」と確信していた。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部)

[J1第26節]広島5-2G大阪/8月20日/エディオンスタジアム広島

 偉業を成し遂げられる者は、それを信じていた者である。

 G大阪戦でハットトリックをやってのけた広島のナッシム・ベン・カリファは確信していた。

「1-2で負けているなかでも、僕自身はずっと勝てると思っていた。すごくチームの流れも良かったし、モリシ(森島司)の得点がオフサイドになってしまったこともあったけど、必ず逆転できると確信していたよ」

 1ゴール2アシストと圧巻のパフォーマンスだった満田誠も信じていた。

「自分の中の感覚的なものですけど、追い付いて絶対に逆転できるなと思っていた」

 何が彼らを信じさせたのか。それはやはり、これまで自分たちが積み上げてきた結果だ。
 
 広島は1週間前の第25節・柏戦で3-2の逆転勝利を収めたが、それ以前から成功体験を重ねてきた。第17節・C大阪戦(2-1)、ルヴァンカップのグループステージ第4節の名古屋戦(2-1)も逆転勝ちだった。

 また逆転ではなくても、試合終盤に得点を奪って勝利した試合も多い。第24節の鹿島戦(2-0)は、エゼキエウが90+5分にネットを揺らして勝利を決定付け、第18節の福岡戦(3-1)では、86分にドウグラス・ヴィエイラがリードを2点に広げるチームの3点目をゲット。第8節の福岡戦(1-0)では、90+4分に柴﨑晃誠が決勝点を挙げて勝っている。

 もう1つ"信じられる"裏付けとなる興味深いデータがある。広島は後半の得点が圧倒的に多い。リーグ戦で奪った全40得点(26試合終了時点)のうち、後半に決めたゴールが30得点を占めており、しかも時間が経過するごとにゴール数が増えている。46~60分の間が6得点で、61~75分が11得点。そして、76分~試合終了までが13得点である。

 これだけ後半に点を重ねて勝利を収められている要因は、選手たちのあくなき向上心と選手層にあるとミヒャエル・スキッベ監督は言う。

「いまでもチームは成長していこうっていう気持ちが強い。ゲームの中で90分間以上速いテンポのなかで良いサッカーをしていこうっていうことを目ざしている。さらに、自分たちはメンバーにも恵まれていて、交代選手たちがさらに新鮮な空気を流し込んでくれている」
 

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