「次の1億ユーロ」デンベレやサンチョに続く“ドルトムント産ウインガー”の逸材バイノー=ギテンスとは?【現地発】

2022年08月31日 マルクス・バーク

サンチョと同じシティ・ユースからやってきた

8月8日に18歳になったばかりのバイノー=ギテンス。(C)Getty Images

 数週間前のことだ。あるドルトムント関係者が興味深い話をしてくれた。

「彼はおそらく、我々が次に1億ユーロ(約140億円)で売却する選手になるだろう」

 その選手とはジェイミー・バイノー=ギテンス。8月8日に18歳になったばかりの英国人ウインガーで、2020年9月にマンチェスター・シティのユースからドルトムントにやってきた。同じシティ・ユースから加入したウインガーのジェイドン・サンチョが、21年夏に8500万ユーロでマンチェスター・ユナイテッドに移籍したのは周知の通りだ。

 16歳で入団し、即トップチーム合流とはいかなかったものの、U-19でしっかりと下積み経験を積んだバイノー=ギテンスは22年4月16日にブンデスリーガ・デビュー。以降、目の肥えたファンを唸らせるパフォーマンスを散発的ながら披露している。
 抜群のスピードやトリッキーな足技で局面を開き、みずからフィニッシュも担う多彩なアタッカーであり、両サイドで機能する汎用性も売り。ドイツ代表のマルコ・ロイスやカリム・アデイェミ、オランダ代表のドニエル・マレンら多士済々のアタッカーが揃うドルトムントで常時先発してもおかしくない。そう感じさせる才能の持ち主だ。

 ドルトムントはかつてウスマンヌ・デンベレを1億2500万ユーロでバルセロナに売却した。同じウインガーのサンチョが巨額の移籍金をもたらしたのは前述の通りだ。ふたりの先達に続くか。ドルトムントに現われたウインガーの新たな逸材、バイノー=ギテンスの成長を見守りたい。

文●マルクス・バーク 翻訳●円賀貴子

Marcus BARK
自身の地元クラブであるドルトムントに太いパイプを持つジャーナリストで、ドイツ第一公共放送の人気スポーツ番組『シュポルトシャウ』のウェブ版でドイツ代表番を務める。プレミアリーグなど国外のリーグも幅広くカバーし、複数のメジャー媒体に寄稿。

※『ワールドサッカーダイジェスト』2022年8月18日号より加筆・修正
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