【三浦泰年の情熱地泰】台風予報で試合が中止に… 災害の多い時代だからこそ、サッカーを通して皆に感動を届けたい!

2022年08月16日 三浦泰年

今、日本中どこにいても災害を避けることはできないかもしれない

災害に見舞われ、試合もたびたび中止に追い込まれる時代。だからこそ、三浦監督はサッカーで感動を届けたいと切に思っている。

 週末の大事な練習試合が東海地域の台風予報により中止になってしまった。中断期間の大事な試合であったが、ある意味仕方がない判断であった。同日、関東大学リーグやJリーグも中止を判断。試合は延期された。
 
 僕たちは急遽、練習に変更し、荒れるはずの天候が思ったよりも崩れることなく、しっかりした練習ができた。

 それにしても災害は心を痛める。

 僕が監督としてお世話になった北九州の旦過市場では、4月に火災があって営業ができなくなり、6月に顔を出していた時には落ち着いた様子であったのに、つい先日違う原因で2度目の火災が起きてしまった。

 旦過市場とはギラヴァンツ北九州の監督時代によく通った場所でもあり、ほとんど夕飯は旦過市場で摂っていた。そんな縁深い場所の火災。心配であり、心が痛んだ。

 詳しいことは分からず、テレビのニュースでしか知ることの出来ない情報であるため想像するだけで心配になる。もちろん現地とのギャップがあるからだ。

 2017、18年と2シーズン指揮を執った鹿児島では、やはり少し前に桜島の噴火のニュースがあった。

 もちろん住んでいる時も噴火はあったが、大きく生活に影響があったことはない。逆に火山灰が降ってくるのは当たり前で日常でもあった。しかしテレビに流れる危険レベル5と出れば心配になり、お世話になった行きつけのお店に連絡をしてみると「何かあった?」のような返信。少しホッとしたが、良い時間を過ごした場所の災害に何も出来ず、連絡をして少し安心することしか出来ない……。

 去年、行った弘前(青森)も大雨の影響による水害に見舞われた。サッカースクールで数多くの人と知り合い「今年も来て下さいねー」と声を掛けてくれた弘前の人たち。

 連絡を取り合った人は「大丈夫ですよ!」と言っていたが、報道されていない地域ではやはり大きな影響があったようだ。ラインメール青森というJFLのクラブもあるだけに心配ではある。

 サッカーを通して日本中、いろんな所へ行った。

 阪神大震災に見舞われた神戸は、現役最後のクラブとして生活させてもらったが(※2002~03年にプレー)、大きな災害をたくさんの人の努力によって乗り越え、その苦労を僕らに感じさせないほどの復興を果たしていた。

 そして今ではヴィッセル神戸が誰もが愛するクラブに成長している。

 また、お世話になったJヴィレッジは東日本大震災の影響を色濃く受けることになったが、見事な復活を遂げている。

 復興のシンボルとしてJFLからJ3に昇格を果たしたいわきFCが、昇格初年度に首位を走り、J2へ向けて大躍進している。大きな震災を乗り越えて、地元の人々に勇気を与えてくれている。

 今、日本中、どこにいても災害を避けることはできないかもしれない。
 

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