【セルジオ越後】E-1制覇は良いけど、カタールW杯の選考となると話は別。活躍した相馬は南野や三笘との争いで勝たないといけない

2022年07月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

リードできたことで、プレーに余裕も出ていた

相馬には9月の欧州遠征でチャンスを与えてもいいかもね。写真:塚本凜平(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 E-1選手権の最終戦で韓国と対戦した日本は、3—0で勝利。2013年以来4大会ぶりの優勝となったね。勝たなければいけない大会だし、頂点に立てたのは良かった。

 日本は勝利が必要で、韓国は引き分けでも優勝できるシチュエーションだった。勝たなければならない日本は立ち上がりから積極的にシュートを放ち、先制しても2点目を取りに行った。日本のほうが精神的に上回っていたね。リードできたことで、プレーに余裕も出ていた。

 韓国は、状態の悪さが気になった。蒸し暑さか、連戦での選手起用の失敗か、引き分け狙いだったのか。理由は分からないけど、本来の力を出せていないように見えた。気迫を感じず、プレスが弱く、スピードも無い。自慢のフィジカルの強さも見せらせなかったのは残念だった。

 ボール支配率では上回っていたのに、縦パスや意味のあるボール回しができない。シュートは4本だけで、唯一の決定機も日本のGK谷に阻まれた。
 
 日本は相馬が1得点・1アシストと活躍したし、初招集の町野も得点できた。これまであまり見られなかったヘディングやセットプレーでのゴール。守備陣は安定したプレーだったけど、相手の状態が悪かったことでアピールは難しかったね。

 タイトルを取れたのは良かった。でも、カタール・ワールドカップのメンバー選考となると、また話しは違ってくる。今回のメンバーに酒井や長友らがいたら、彼らを差し置いて試合に出れた選手はいただろうか。活躍した相馬も、欧州組がいれば、南野や三笘とのポジション争いに勝たなければ試合には出られない。

 もっとも、相馬や藤田は、9月のヨーロッパ遠征に連れて行ってチャンスを与えてもいいかもね。そうすることで、この大会に価値があったと言えるんじゃないかな。

【著者プロフィール】
セルジオ越後(せるじお・えちご)/1945年7月28日生まれ、77歳。ブラジル・サンパウロ出身。日系ブラジル人。ブラジルではコリンチャンスやパウリスタなどでプレー。1972年に来日し、日本では藤和不動産サッカー部(現・湘南ベルマーレ)で活躍した。引退後は「さわやかサッカー教室」で全国を回り、サッカーの普及に努める。現在は解説者として、歯に衣着せぬ物言いで日本サッカーを鋭く斬る。

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