「あああぁぁぁ」1万人が一斉にため息…ほぼU-23の中国から1点も奪えず、決定力不足が浮き彫りに。宮市亮も「そこに尽きる」

2022年07月25日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

最後まで閉塞感を打ち破れず

若手主体の中国相手にまさかのスコアレスドローに終わった日本。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

[E-1選手権]日本 0-0 中国/7月24日/豊田スタジアム

 5日前の香港戦では6-0で大勝、そして2戦目の相手は、2選手を除きU-23のメンバーで構成された中国――。現地トヨタスタジアムに向かう道中、「今日は何点入るだろうか」と、2戦続けてのゴールラッシュを頭に描いていた。

 やがて19時20分、キックオフの笛が鳴る。戦前の予想通り、日本は圧倒的にゲームを支配。香港戦の倍となる1万人以上のサポーターが後押しするなか、中国ゴールに襲い掛かる。しかし、なかなか決定機は作れず、前半をスコアレスで終える。

 ハーフタイム。押し込みながら決め手を欠く展開に、スタジアムにはやや重苦しい雰囲気が漂っていたものの、「後半で状況は変わるだろう」と、どこか楽観視していた自分がいた。

 迎えた後半、森保一監督は動かず、同じメンバーで残りの45分がスタート。すると、ビッグチャンスは53分にやってくる。

 脇坂泰斗のパスをペナルティエリア内で受けた細谷真大が、至近距離から右足でシュートを放つ。だが、ボールは無情にもクロスバーの上に飛び、完全に1点もののチャンスを逃してしまう。

 この頃から記者席で漏れるため息は段々大きくなり、逆にスタンドの一角に陣取った10人ちょっとの中国応援団は、自チームの奮闘に胸打たれ、心なしか声援に活気が増していく。
 
 負けじとホームサポーターも声を張り上げ、ガムシャラに1点を目ざす選手たちに力を送るが、日本はゴール前でボールは持てても肝心の点が入らない。84分、左サイドをえぐった相馬勇紀のクロスに杉岡大暉が合わせたシュートも、わずかに枠の左に外れる。

「あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 1万人が一斉にため息をつき、スタジアム中が嘆きに包まれた。

 結局、最後まで閉塞感は打ち破れず、0-0のままタイムアップ。長い笛が鳴った瞬間、日本のベンチは茫然自失となったのに対し、中国側が一斉に両手を挙げ、喜びを表現したのが、このドローの意味合いの違いを如実に物語っていた。

 きっちりと最後のところでは足を出していたとはいえ、中国の守備が特別良かったようには映らない。ではなぜこんな結果に終わってしまったのか。考えられる最も端的な理由は、宮市亮が「決めきれなかったところ。そこに尽きる」と語ったように、決定力不足だ。

 もう何年も言われ続けている日本サッカー界の課題を克服するためには、所属クラブでの試合で精度を上げていくほかない。日々の積み重ねが、その延長線上にある代表に繋がる。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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