【E-1なでしこ】台湾に快勝もWEリーグより低調だった選手たち。W杯や五輪に向け貪欲さやパッションが欲しい

2022年07月24日 西森彰

てっぺんギリギリのパフォーマンスではなかった

なでしこジャパンは台湾に快勝し連勝を飾った。写真:塚本凜平(サッカーダイジェスト写真部)

 7月23日、なでしこジャパンは、E-1選手権の第2戦で台湾戦に臨んだ。キックオフから積極的に仕掛けてきた相手の勢いに押され、セットプレーから先制を許すが、前半のうちに逆転に成功。後半、さらに2点を加え、最終スコア4-1で2連勝を飾った。

 2―1で勝利した韓国戦から中3日のこの試合で、池田太監督は、大幅にメンバーを入れ替えてきた。前回の試合に続いて先発したのは、キャプテンマークを託された猶本光(三菱重工浦和レッズレディース)と、宝田沙織(リンシェーピングFC/スウェーデン)の2人だけ。この日が、代表デビュー戦の井上綾香(大宮アルディージャVENTUS)のように、なでしこジャパンとしては出場経験の少ない選手で構成されていた。

 代表初先発の上野真実(サンフレッチェ広島レジーナ)は、ラインの裏を狙う千葉玲海菜(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)と役割を整理して、幾度も好機を作り出した。最後の細かい部分での精度は、シュートにつなげる回数でカバーし、自身の代表初ゴールも決めた。予想していないビハインドを前半のうちに解消し、勝利に貢献した。
 
 多くの選手は、緊張の中でも、平均的な力は出せていたと思う。ただ、それが彼女たちのてっぺんギリギリのパフォーマンスだったかと問われれば、違う。台湾よりも強い相手と戦っているWEリーグで、もっと素晴らしいプレーを見せているのだから。

 台湾に献上した先制点からも、それは感じた。確かに、酷暑の中、格下と見られる相手が、キックオフから"噛みついてくる"とは予想外だった。しかし、開始2分、ゴールキックのバウンドを読み誤ったところをきっかけに、ライ・リーチンのシュートで、すでにヒヤリとさせられていた。
 

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