国内組中心でE-1制覇に挑む、なでしこジャパン。好機到来のWEリーガーたちは期待に応えられるか

2022年07月19日 西森彰

悔しい経験を経てチームの意識は上がった

ベレーザの清水など、今大会は国内組中心のチーム編成に。池田監督は来年のW杯を見据え「チーム力を上げたい」と語る。写真:塚本凛平(サッカーダイジェスト写真部)

 なでしこジャパンが、7月19日から始まるE-1選手権に臨む。池田太監督は、初戦前日に行なわれた公式記者会見の席で「このタイトルを目ざし、また選手の成長を期待しながら、来年の女子ワールドカップへ向けてチーム力を上げていきたいと思います」と大会への抱負を語った。

 現体制に切り替わってから時間がなかったこともあり、今年の1月から2月にかけてインドで行なわれた女子アジアカップでは、ベスト4敗退となったが、悔しい経験を経てチームの意識は上がった。

 先月に行なわれた欧州遠征では、チーム結成当初に掲げていた、高い位置でのボール奪取から、ペースを握り、決定機を量産した。その結果、セルビア(5-0)、フィンランド(5-1)から5点ずつを奪っている。

 今大会は、インターナショナルウィンドウの対象外ということもあり、海外組は林穂之香(AIKフットボール/SWE)、宝田沙織(リンシェーピングFC/SWE)のスウェーデン組ら一部だけで、国内組が中心の編成になっている。

 マイナビ仙台レディースからアメリカのノースカロライナ・カレッジへの移籍が発表され、再び海外組の一員となった長野風花には、前回の欧州遠征から10番が与えられている。Aマッチで5試合連続得点中の植木理子(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)ら、若くして主軸を務める選手には、その座にふさわしい証を見せてもらいたい。
 
 キャプテンの熊谷紗希(FCバイエルン・ミュンヘン/GER)と南萌華(三菱重工浦和レッズレディース⇒移籍先未発表)のCBコンビが不在。高橋はな(三菱重工浦和レッズレディース)や乗松瑠華(大宮アルディージャVENTUS)らDF陣には、好機が到来した。

 攻撃的ポジションでは、東京五輪前から主力を務める長谷川唯(ウェストハム・ユナイテッド/ENG)、杉田妃和(ポートランド・ソーンズFC/USA)、フィンランド戦でゴールを挙げた遠藤純(エンジェル・シティFC/USA)らが未招集だ。

 激戦区で順番待ちをしていた面々には、千載一遇のチャンスだ。代表デビュー戦となったセルビア戦で初ゴールを決めた千葉玲海菜(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)に続こうと、新たな顔ぶれが加わってきた。
 

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