日本の「メッシ神話」は不変だ。パリSG激推しのエムバペ、モテ男のネイマールを上回る人気

2022年07月19日 白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト)

クラブに最も推されているのはエムバペだが…

メッシ(左)はネイマール(中央)やエムバペ(右)よりも人気だった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 ジャパンツアーで来日中のパリ・サンジェルマンは、いま現在における「世界最高のスター軍団」だ。
 
 守護神ジャンルイジ・ドンナルンマをはじめ、右SB/WBのアシュラフ・ハキミ、CBのセルヒオ・ラモスとマルキーニョス、司令塔のマルコ・ヴェッラッティ、そして前線のリオネル・メッシ、キリアン・エムバペ、ネイマール。実質的なクラブオーナーであるカタール国家は底無しの財力を武器に、「新・銀河系軍団」と呼ぶに相応しい歴史的なチームを作り上げた。
 
 そんなパリSGは7月18日、秩父宮ラグビー場で公開トレーニングを開催。練習見学としては高額な4500円のチケットは事前に完売し、1万3370人のファンでスタジアムは埋め尽くされた。
 
 なかなかお目にかかれないスター軍団に日本のサッカーファンたちは大興奮。トレーニング中はスタンドから選手たちの名前が何度も聞こえてきたし、チャントのようなものまで巻き起こっていた。いまだJリーグで声出し応援が制限されている中、パリSG関連だけが黙認されている風潮は議論の余地があるものの、とにかくそれが現実だった。
 
 その中で最も多く名前を呼ばれ、感嘆の声を引き出していたのは、間違いなくメッシだった。トレーニング開始前、場内アナウンスで選手名が一人ひとり読み上げられた時、一番大きな拍手と歓声が上がったのもメッシだ。
 
 もちろんネイマールやエムバペ、S・ラモスなども人気だったが、メッシはその何倍ものファンを虜にしているような印象を受けた。
 
 メッシが愛するバルセロナを金銭的な理由で涙ながらに去り、パリSGに移籍したのは昨夏。しかし、今このフランスの首都クラブから最も推されているのは、地元出身で23歳にしてワールドカップ制覇経験者という完璧なプロフィールを持ち、今夏にはレアル・マドリー移籍を蹴ってカタール人たちに大きな恩を売ったエムバペだ。この日の黄色い声援の多さから考えれば、女性の支持ならイケメンのネイマールがチームでナンバーワンかもしれない。
 
 いずれにしても、もう35歳で全盛期を過ぎたメッシは、バルサ時代のような「クラブの看板」という立場ではない。
 
 しかし、その人気は衰え知らず。少なくとも日本のサッカーファンにおける「メッシ神話」は全く錆び付いていないことを、この日の公開トレーニングで改めて実感させられた。「史上最強のフットボーラーの1人」という称号は伊達ではない。
 
 7月20日に川崎フロンターレ、23日に浦和レッズ、25日にガンバ大阪と対戦する今ツアーのパリSG。メッシはこの3試合で、ナンバーワン人気に見劣りしないパフォーマンスを見せられるか。注目したい。
 
取材・文●白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト編集部)

【PHOTOギャラリー】スター軍団パリSGが公開トレーニング!


 
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