【J1採点&寸評】浦和×柏|埼スタに“幸”をもたらした高木俊幸がMOM! 浦和が暫定で年間首位に立つ

2015年09月11日 サッカーダイジェスト編集部

日本代表の遠征から帰ったGK西川が、ビッグセーブを連発して悪い流れを断つ。

【警告】浦和=槙野(69分)、那須(90+2分) 柏=茨田(12分)、武富(67分)
【退場】浦和=なし 柏=なし
【MAN OF THE MATCH】高木俊幸(浦和)

【試合内容】
 88分の高木の移籍後初ゴールが決勝点になり、浦和が柏から劇的勝利を挙げた。
 
 ホームチームが立ち上がりから主導権を握り、24分から5分間で興梠が立て続けに三度の決定機を迎える(菅野のキックミスを突いた場面も)。しかし、ゴールを奪えずにいると、次第にアウェーチームに流れが移る。
 
 柏は37分にCKからエドゥアルドがヘッドに合わせて惜しいシーンを作り(西川のファインセーブにあう)、アディショナルタイムにはエデルソンのクロスにキム・チャンスが飛び込んだものの、シュートはわずかに枠の外へ。
 
 結局、両チームともゴールを奪えず、0-0で折り返した。
 
 後半もスコアが動かないまま時間が経過すると、柏は終盤に5-4-1で守備を固め、引き分けでもOKと言える戦いにシフトする。そこに浦和は李、青木、高木とフレッシュな駒を投入し、一段と攻勢を強める。すると試合終了間際の88分、高木が冷静にゴール隅にシュートをねじ込み、これが決勝点に!
 
 浦和が総勝点を58に伸ばし、暫定ながら年間1位に立った。

【J1 PHOTOダイジェスト】浦和 1-0 柏
  
【チーム採点・寸評】
浦和 6.5
柏木を起点に多彩な攻撃を繰り出して多くのチャンスを作った。最後まで猛プッシュを続け、途中出場の高木の移籍後初ゴールが決勝点に。ヒヤッとする守備が見られたのは課題だが、再び勢いをつけそうな1勝をホームで挙げた。


 5.5
「前半はレイソルのサッカーじゃなかった」と指揮官が振り返るように、5バックで自軍にこもるカウンター狙いの展開に。そのなかでもチーム全体の統制はなんとか保っていたが、最後に力尽きた。

【浦和|採点・寸評】
GK
1 西川周作 7
37分のゴール左隅を突いたエデゥアルドのヘディングシュートを間一髪でセーブし、72分のクリスティアーノの弾丸ショットもしっかり弾き出した。工藤のシュートがポストに当たったのも、彼がコースに入っていたから。「浦和の守護神」として守りで魅せた。
 
DF
4 那須大亮 6.5
ロングボールやクロスに対し、持ち味である"前へ"向かう守備で対応。終盤の気迫を前面に押し出したファイトは"熱"がスタンドにも伝わってきた。54分のCKにヘッドで合わせたが、惜しくもゴールならず。

5 槙野智章 6
押し込んだ時間帯に攻撃をぶ厚くした。54分の豪快なオーバーラップは迫力十分。サイドに張り出すクリスティアーノらにしっかり身体を当てて、ほとんど仕事をさせなかった。
 
46 森脇良太 5.5
こぼれたボールをよく拾っていたが、その後の展開につなげられず。前半のアディショナルタイムにCKへ逃げたヘッドでのクリアは、昨季の"悪夢の鳥栖戦"を一瞬思い出させた。工藤に決定機を与えたクリアミスなど、"ふわっ"とした守備が何度か見られた。
 
MF
3 宇賀神友弥 5.5
攻撃面で前線と絡んで崩す場面がほとんど見られなかった。調子が良くないのを察知したのか、長い距離をタフに走って貢献した。
 
8 柏木陽介 6.5
ショートパス、ロングキック、サイドチェンジ……手品師のような多彩なキックで攻撃を彩った。右足に流れた決定的なシュートを決めていればヒーローだった。

 22 阿部勇樹 6
前線3枚に入れられたロングボールやクロスのこぼれ球を拾って、鋭い縦パスで攻撃のスイッチを入れた。
 
24 関根貴大 6
常に対峙したDFの先手を取っていた。指揮官は「オフ・ザ・ボールの動きが素晴らしかった」と評価。一方で、「クロス精度の低さは次の試合への課題」との指摘も。

19 武藤雄樹 5.5
アップダウンを繰り返してボールの"受けどころ"になった。ただ、焦りがあったのか、ゴール前でのプレー精度が最近のなかでは低かった。
 
7 梅崎 司 6.5
左右のシャドーと右ウイングバック、三つのポジションで質の高いプレーを披露。90分間、アグレッシブな姿勢を崩さなかった。
 
FW
30 興梠慎三 5.5
チャンスには必ずと言っていいほど顔を出した。ビッグチャンスのうち1本は決めなければいけなかった。その一方で、マークについていた茨田より明らかに分が良かっただけに、チームとしてもっとシンプルに彼にボールを集めても良かったか。
 
交代出場
FW
20 李 忠成 6
ぐいぐいとボールがないところで走って相手のラインを下げた。決勝点を決めた高木へのマークが甘かったのは、そんなオフ・ザ・ボールの動きがボディブローのように効いていたからだ。
 
MF
16 青木拓矢
味方を追い越す動きなどよく走って、ボールの受けどころを作った。もっと大胆なプレーを見せても面白そう。
 
FW
31 高木俊幸 7
浦和でのリーグ戦15試合目の出場で、ついに移籍後初ゴールを奪取! 埼スタにトシが"幸"をもたらした。

監督
ペトロヴィッチ 6.5
攻撃的なスタンスを貫き、次々にカードを切って勝利を手繰り寄せた。高木を辛抱強く起用し続けたことが、この1勝に結実した。

次ページ浦和対策で5バックを敷いたものの、選手たちの特長を消してしまう結果に……。

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