「誰かが無理をしてでも…」磐田、ボール支配も前へ運べず2戦連続完封負け。福岡戦で露呈した課題は?

2022年07月08日 高橋のぶこ

「ボールは持てたけど、ボックス内に入れなかった」

磐田は福岡戦で2戦連続完封負け。金子がゲームを振り返った。写真:塚本凜平(サッカーダイジェスト写真部)

[J1第20節]磐田 0-1 福岡/7月6日/ヤマハスタジアム

 前節から先発を7人入れ替えた磐田は、ホームで福岡に0-1。2試合連続で完封負けを喫した。

「もっと福岡がハイプレスを仕掛けてくるかなと予想していたけど少し違って、相手が守備のときは5枚でしっかり合わせてきた。ボールは持てたけど、ボックス内になかなか入れなかった」

 シャドーで先発し、後半は4バックにシフトチェンジしてからはトップ下に入った金子翔太は、さらに「0-0の時間が長く続いたのは、どちらかと言えば福岡のゲームプラン通り。焦れてはいけないけれど、もっと思い切ってボックスに入っていくプレーや、誰かが無理をしてでも突破するシーン、自分たちで状況をみてポジションを変えて攻撃にスパイスを加えることが必要だった」と振り返った。
 
 4バックをベースとする福岡だが、長谷部茂利監督は、「ジュビロはボールを動かしながら『サイドバイタル』でボールを受けるのがうまいチーム。自分たちがやりたいことをやり、相手にやりたいプレーをさせないためには、そこに人がいればいい」とし、磐田に対しては、守備時は5バックとなる3-4-2-1を採用。

 立ち上がりは前からプレスを仕掛けてきたが、前半半ばから素早い攻守の切り替えで、自陣で堅固なブロックを敷きロングボールを多用した。その福岡の前に、磐田は試合前の狙い通り、ボール支配では大きく上回ったものの自陣での保持が多く、前にボールを運べなかった。

 ベースの3-4-2-1でスタートした磐田の戦い方は、実質的には前節の広島戦と同じく"0トップ"。前節は大森晃太郎が1トップを務めたが途中で負傷離脱。今節は杉本健勇がトップに入り、下がって中盤での攻防に加わって起点になり、右の鈴木雄斗と左の黒川淳史の両翼が、相手サイドに蓋をしつつ裏をとるというプランだったが、「トップが降りてきたところから最終的にどう前に人数をかけていくかという作業に辿り着くことが少なかった」(金子)ことも課題となった。
 

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