「想像もできないような経験」ソン・フンミンがドイツ時代の人種差別を衝撃告白「W杯敗退で泣く彼らを見て『リベンジできた』」

2022年07月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

「いつかリベンジしなければいけないと強く思っていた」

ドイツ時代の人種差別を告白したソン・フンミン。(C)Getty Images

 2018年のロシア・ワールドカップで、当時王者だったドイツはまさかのグループステージ敗退に終わった。1勝1敗で迎えた最終節、韓国を相手に0-2とまさかの黒星。グループ最下位での敗退という屈辱を味わった。

 涙するドイツの人々に、韓国代表のソン・フンミンは、同情することができなかったという。若かりし頃、ドイツの地で自身が屈辱を味わわされていたからだそうだ。かつてハンブルクでプレーした際、人種差別の被害に遭ったと明かした。

 2010年、弱冠17歳で韓国からドイツに渡ったソン・フンミンは、ハンブルクやレバークーゼンで活躍。2015年夏にトッテナムへ移籍し、今ではプレミリーグと世界を代表するアタッカーのひとりへと飛躍を遂げている。
 
 英紙『Daily Mail』によると、そのソン・フンミンは7月4日、ソウルでのイベントで「若いころにドイツへ行き、本当に難しく、想像もできないような瞬間をたくさん経験してきた」と振り返っている。

「たくさんの人種差別に直面した。本当に難しい時期にあり、いつかリベンジしなければいけないと強く思っていた」

 そしてそのリベンジの機会が、ロシア・ワールドカップとなったのだ。ソン・フンミンは「僕は、人が泣いていたら、(普通は)慰めてハグをしたくなる」と続けた。

「でも、ドイツの人が泣いているのを見ても、自分が好きなことでリベンジできた(と感じたんだ)」

 ヨーロッパの地で人種差別の被害を訴えた有色人種の選手は数えきれない。それでも、差別は根絶されていないのが実際のところだ。そして言うまでもなく、差別は欧州だけにとどまるものではない。世界各地で常に誰かが被害に遭っている。

 いつの日か、世界のどこでも差別がなくなり、健全な気持ちでワールドカップでの勝負に臨める日が訪れるのだろうか。訪れると信じ、世界が前進するのを願うばかりだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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