「焦りも出てくる。悩みましたが…」なぜ上田綺世は移籍を決断したのか。鹿島同僚には「居なくなっても全然大丈夫という姿を見せて欲しい」

2022年07月01日 サッカーダイジェストWeb編集部

「今しかなかったというのも理解していただければ」

「今の僕があるのはみんなのおかげ」とサポーターへの感謝も語った上田。(C)SOCCER DIGEST

 ベルギー1部のサークル・ブルージュへの完全移籍でクラブ間合意をした、鹿島アントラーズの上田綺世は7月1日、オンライン会見を開き、「自分の年齢も、世界的には若くはない。チャンスを逃してはいけない」と海外挑戦への意気込みを語った。

 現在23歳の上田は、鹿島のジュニアユース(ノルテJrユース)から鹿島学園高、法政大へと進み、大学時代にはA代表としてコパ・アメリカに参戦。その後、2019年夏に、21年からの加入が内定していた鹿島へ前倒しで加入し、プロキャリアをスタートさせた。

 今季はここまで18試合で10得点で、J1リーグ通算は86試合・38得点。リーグカップ通算11試合・5得点、天皇杯(鹿島)通算4試合・4得点、ACL通算2試合・0得点を記録している。

 そんな上田は、移籍決断の経緯をこう語った。

「入団初年度(2019年)こそタイトル争いをしましたが、この2年間はタイトルから遠ざかっていました。自分の結果次第で(タイトル獲得の)チャンスは広がると思っていましたし、今年はチャンスだと、自分のなかでも理解していました」

 リーグ戦では首位横浜から3ポイント差の2位、天皇杯も勝ち進み、個人でも10ゴールと得点王レースでトップを走るなかでの移籍決断は難しかったという。

 ただ、「入団前からスタッフや強化部と話はしていましたが、自分が結果を出すことでそういう道(海外移籍)も出てくると思っていました。バランスは難しいですが、自分の年齢も、世界的には若くはない。チャンスを逃してはいけない。(8月に)24歳になって焦りも出てくる。最終的に海外に行きたいという思いはあったので、悩みましたが、今しかないと決断しました」と胸中を明かした。
 
 今季も変わらず応援してくれていたサポーターに向けてはこう語った。

「この4年間、素晴らしいクラブで、選手、スタッフ、サポーターに囲まれて、僕自身も凄く充実したプロ生活でした。のびのびできたし、成長率も高かった充実した4年間でした。それは、声出しができないなかで、足を運んでくれたサポーターがいて、伝統を受け継いできた先輩たちがいて、そういう人たちのなかでプレーできたからこそ、今の自分があると思う。

 それを海外に行って発揮したいという想いと、海外でまた違った成長があると思う。それを日本から見ていて欲しい。プロとして、タイトルを獲りたかったのはもちろんですが、個人のキャリアを考えると今しかなかったというのも理解していただければ」

 会見後に話すというチームメイトたちへはこんな想いを伝えたいという。

「タイトル獲って欲しい。そのためにクラブも動き続けている。一度それを達成して欲しい。そこに貢献できていれば良かったですが、僕はもう貢献できない。もちろん、僕も海外から応援していますし、鹿島ならタイトルを獲れると信じています。今年は若くて勢いもあり、新しい監督の下でアグレッシブなサッカーをしている。プロなので、みな個人個人のキャリアがあるというのは理解してくれていると思う。

 逆に、残る選手は僕が居なくなったからと言われるのが一番嫌だと思う。僕としてはちょっとくらいはそう思われても良いですが(笑)、やっぱりタイトルはとって欲しいので、僕が居なくなっても全然大丈夫という姿を見せて欲しいです」

 上田は7月2日に渡欧し、メディカルチェック後に正式契約を結ぶ予定だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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