エスパ鈴木唯人を彷彿させる市船の2年生エース郡司璃来。インターハイは全国に向けた決意表明の場に

2022年06月27日 安藤隆人

どのポジションでもハイレベルなパフォーマンスを見せられる

郡司は得点に加え攻撃の起点にもなりチームをインターハイ出場に導いた。写真:安藤隆人

 最初に見た時、「あ、似ている」と思った。直近のプレーを見ると「かなり似ている」と思った。市立船橋の10番を背負う2年生エース・郡司璃来を見れば見るほど、同じ市船の先輩であり、10番を背負っていた鈴木唯人に重なる時がある。

 鈴木といえば、今、最も注目を集めている若手と言っていいだろう。清水エスパルスではルーキーイヤーから出番を掴むと、プロ3年目の今季は不動のFWとなり、ここまで3ゴール・2アシストをマーク。今月にウズベキスタンで行なわれたU-23アジアカップでも4試合にスタメン出場を果たし、チームトップの3ゴールをマークするなど躍進を見せている。

 鈴木は生粋のストライカーでもなければ、ゲームメーカーでもない。高校時代から適正ポジションが分からないというより、どこで起用しても高いレベルでやれてしまう選手だった。

 プロに入ってからはそのレベルがさらに上がり、FWでもトップ下でも左右のサイドでもすぐに戦術に適応し、質の高いドリブルとパス、フィニッシュワークを繰り出す。だからこそ、チームでも代表でも"いてほしい"場所にいて、ハイレベルなパフォーマンスを見せる。
 
 かたや郡司も両足を難なく使いこなし、時には最前線でストライカーとしてゴールに迫る一方で、中盤に落ちてボールを受けてはテンポよく捌いて、三人目の動きでスペースを作ったり、リターンパスをもらってフィニッシュワークに関わる。サイドに流れてもタメを作って攻撃の起点となることもできるし、突破からのクロスでチャンスメイクすることもできる。どのポジションでもハイレベルなパフォーマンスを見せられる選手だ。

 インターハイ千葉県予選では準々決勝の中央学院戦で2ゴールを叩き出すと、準決勝の習志野戦では鮮やかな抜け出しからのチップキックで決勝弾をマーク。日体柏との決勝戦では鋭いカットインからの左足シュートを突き刺して先制点を叩き出した。

 ゴールシーン以外でも攻撃の起点としてFW青垣翔や右MF渡邉慎和ムセマら個性的なアタッカーの攻撃力を引き出すなど、常にボールに関わり続けてチームを3大会ぶり29回目のインターハイ出場に導いた。
 

次ページインターハイで「唯人さん以上の活躍で『市船の10番は僕だ』という印象を」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事