連敗スタートのユーベ、移籍市場でも大苦戦 本命ドラクスラーはヴォルフスブルクへ…

2015年08月31日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

トップ下の代替候補はラメラとエルナネス。

シャルケとの交渉に割って入ったヴォルフスブルクにドラクスラーをさらわれたユーベ。移籍期限を目前に大きく揺れている。 (C) Getty Images

 セリエA開幕2連敗という予想外のスタートを切ったユベントスの周辺が、移籍期限を目前に大きく揺れている。
 
 1か月以上にわたってトップ下のメインターゲットとして狙い続けてきたシャルケのユリアン・ドラクスラーは、8月28日から29日にかけて両者が大きく歩み寄り、シャルケの要求額移籍金2750万ユーロ(約38億5000万円)+ボーナス500万ユーロ(約7億円)に対し、ユーベが2300万~2400万ユーロ(約32億2000万~33億6000万円)+500万~600万ユーロ(約7億~8億4000万円)をオファーするところまで接近、クラブ周辺には楽観的な空気が漂った。
 
 しかしシャルケ側は29日夜になっても移籍に最終的なOKを出さない。これは、ケビン・デ・ブルイネをマンチェスター・シティに、イバン・ペリシッチをインテルに売却したヴォルフスブルクがその後釜として白羽の矢を立て、移籍金3600万ユーロ(約50億4000万円)、年俸500万ユーロという条件を提示して強くプッシュしたため。最終的にはドラクスラーもこの条件を受け入れ、31日には契約書にサインする見通しとなった。
 
 ヴォルフスブルクはさらに、18歳のスイス代表FWブレール・エムボロ(バーゼル)も獲得して主力放出の穴埋めを図っている。
 
 ドラクスラー獲得に失敗したユーベは、かねてから候補に挙がっていたトッテナムのエリク・ラメラに加え、インテルのエルナネス獲得の可能性を30日夜から模索し始めている。
 
 エルナネスはペリシッチ加入でシステムを4-3-3に変更しようとしているインテルでポジションを失いそうな状況にあり、移籍を受け入れる可能性は高い。しかしインテルは完全移籍または買い取り義務付きレンタルのみを条件としており、買い取りオプション付きレンタルを望むユーベとは隔たりがある。
 
 一方で、昨夏パリSGから移籍金ゼロで獲得したフランスU-21代表FWキングスレー・コマンを、バイエルンに売却するという決断も強いられている。
 
 先週後半にバイエルンから正式オファーが届き、レンタル料800万ユーロ(約11億2000万円)、移籍金2000万ユーロ(約28億円)の買い取りオプション付きレンタルという形態で両クラブが合意に達した。
 
 ユーベは移籍に消極的だったが、バイエルンは現在の年俸の倍以上にあたる140万ユーロ(約1億9600万円)という条件をコマンに提示、これが決め手となって選手自身が強く移籍を望み、成立の運びとなった。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事