【J1採点&寸評】仙台×新潟|新潟の山本が劇的弾! 残留へ大きく近づく勝点3を手に入れる

2015年08月30日 古田土恵介(サッカーダイジェスト)

内容は勝点3に値するも……。ホームでライバルに痛すぎる敗戦。

【警告】仙台=渡部(7分) 新潟=加藤(12分)、川口(87分)
【退場】仙台=上本(59分) 新潟=なし
【MAN OF THE MATCH】山本康裕(新潟)

【試合内容】
 前半は仙台ペースで試合が進んだ。最終ラインを高く保ったうえで中盤の守備ブロックをコンパクトにして堅い守備を構築。22分には梁から金久保、奥埜とつながって決定機を迎えるなど、カウンターを数回受けたことを除けば、新潟陣内でボールを動かした。
 
 後半も同様に仙台が横幅を上手く使いながら攻勢を強めていく。だが59分、上本が入れ替わられた山崎に手を掛けて倒して退場処分に。すると数的不利を背負った仙台は徐々に押し込まれてしまう。それでも、GK六反が78分にビッグセーブを見せるなど堅守を維持。逆にカウンターでチャンスを作って勝点3を窺った。
 
 迎えた90+4分、仙台ゴール前の混戦でこぼれ球にいち早く反応したのは新潟の山本。右足を振り抜くと、これが決勝点に。新潟が残留争いのライバルを相手に劇的な勝利をあげて、貴重な勝点3を手にした。
 
【チーム採点・寸評】
仙台 5.5
最終ラインを高く保ち、コンパクトなブロックを構築して堅守を維持。内容は勝点3に値すると言ってもいいだけに、結果が欲しかった。
 
新潟 6
数的有利になるまで自分たちの形を作らせてもらえず。だが、どんな内容であれ、敵地で勝点3を奪えたのは大きな収穫だ。
 
【仙台|採点・寸評】
GK
1 六反勇治 6
いくつかのビッグセーブは日本代表に値する。失点シーンはノーチャンスだったが、厳しい見方をすれば、その前のパンチングをもう少し遠くへ飛ばしたかった。
 
DF
4 蜂須賀孝治 5.5
豊富な運動量で右サイドを疾駆し、果敢に攻撃参加した積極性も大いに買いたい。だが判断などでミスが散見された。
 
3 渡部博文 6
約1か月ぶりのスタメン復帰。強気のライン設定で堅い守備を作っただけでなく、攻撃にも好循環を生み出してみせた。
 
29 上本大海 4.5
59分に山崎と入れ替わられ、思わず手が出る。それまでは及第点の出来だったものの、その後の展開や敗戦という結果を考えると評価は辛いものに。
 
5 石川直樹 6
最初は左SBとして、上本が退場してからはCBとしてプレー。63分や90+3分には身体を張ってピンチを防いだ。
 
MF
14 金久保順 6
高い技術で攻撃のリズムを変える。今後もスタメンで起用されて不思議ではないパフォーマンスだった。あとは最後の精度が欲しい。
 
17 富田晋伍 6
危険地帯を察知し、ボールをハントする感覚はさすが。攻撃でも左右にパスを散らして舵取り役となっていた。
 
10 梁 勇基 5.5
悪くはないが、良くもない。3列目からの飛び出しがもっとあれば……。本来の能力を考えれば、及第点とは言えない。
 
8 野沢拓也 6
一呼吸おけるボールキープとチャンスに直結するパスで攻撃にアクセントをつけた。守備まで求めるのは酷か。
 
FW
7 奥埜博亮 6.5
最終ラインと中盤、CBとSBの間にできたギャップに上手く入り込んで決定機を創出。もう少し長くプレーを見たかった。
 
20 ハモン・ロペス 6
中央でボールを収めるだけでなく、サイドに流れてのプレーもこなす。数的不利になってから孤立して、存在感が希薄に。
 
交代出場
25 菅井直樹 6
右SBに入って、新潟の攻撃を粘り強く耐えた。それだけでなく、83分には機を見て駆け上がり、惜しいシュートも放つ。
 
28 山本大貴 -
R・ロペスとの良い距離感を保ちつつ、裏を狙って新潟の最終ラインを押し下げる役割を担う。大いに相手守備陣を慌てさせた。
 
9 ウイルソン -
頼れるエースがついに復帰。しかしこの試合に関して言えばまだ本調子とはほど遠く、サポーターの大声援には最後まで応えられなかった。
 
監督
渡邉 晋 5.5
内容は悪くなく、アクシデントに対応した交代策も見事。手腕は褒められるが、やはり勝利という結果が付いてこなければ……。

次ページ自分たちのサッカーが出せなくても掴み取った勝点3の意味は大きい。

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