「これがサッカーだ」W杯出場を逃したウクライナ代表ジンチェンコが涙のコメント「負けに値したとは思わないが…」

2022年06月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

好セーブを見せた相手守護神に賛辞

涙で激闘を終えたウクライナ代表ジンチェンコ。(C)Getty Images

 現地時間6月5日、カタール・ワールドカップの欧州予選プレーオフA組の決定戦が行なわれ、ウェールズに0-1で敗れたウクライナは大舞台への切符を逃した。

 そもそもは3月に予定されていた同プレーオフは、ロシアのウクライナに対する軍事的侵攻を理由に6月まで延期された。今も母国が戦火に包まれているウクライナ代表は、スロベニアで調整を行ない、先日行なわれたプレーオフ予選でスコットランドを撃破。決して恵まれた状況ではないなか、W杯まであと一歩のところまで迫っていた。

 それだけに、試合に敗れた後は選手たちはフィールドに崩れ落ち、俯き、大きな落胆を見せた。だが、最後まで奮闘し続けた青と黄のユニホームを纏った選手たちには、ウェールズのサポーターからも大きな拍手が送られた。
【画像】試合後に俯いたジンチェンコにレフェリーが語り掛けた
 試合後、チームの攻撃陣を牽引したオレクサンドル・ジンチェンコは涙ながらに自国への想いを語ったという。英公共放送『BBC』が伝えている。

「今日は全員が全てを出し切り、フィールドに全てを置いてきた。全体的に見れば、負けに値する内容だとは思わないけれど、これがサッカーというものだ。サッカーには人を感動させる力があるが、今日は望んだ結果を得ることはできなかった。でも、ウクライナのみんなや、ファンが今日の僕らに何か感じてくれていたら嬉しい。それなら僕らの仕事は報われる」

 そして、試合では好セーブを見せたウェールズ守護神ウェイン・ヘネシーの奮闘に「素晴らしい活躍で、マン・オブ・ザ・マッチだと思う。ワールドカップでのウェールズの幸運を祈る」と賛辞を送っている。

 試合前日の記者会見では「僕らの望みは戦争が終わることだけだ」と涙ながらに語っていたジンチェンコ。一日も早く、その望みが叶う日が来ることを祈るばかりだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【動画】ウェールズが64年ぶりのW杯へ。ウクライナ代表も最後まで奮闘した激闘をチェック

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