ミランは今シーズン、11年ぶりのスクデット（セリエA優勝）を果たした。そのミランで黄金期を築いた男たちのクラブが、同じシーズンに偉業を成し遂げている。

シルビオ・ベルルスコーニがオーナーを務め、右腕アドリアーノ・ガッリアーニがクラブをマネジメントするモンツァが、５月29日にセリエA昇格を決めた。1912年のクラブ創立以来、110年の歴史で初めての１部リーグ挑戦だ。

　同日の昇格プレーオフ第２レグで、モンツァは開始９分までに２ゴールを献上。２-１で第１レグを制していたアドバンテージを失う厳しい状況を迎えるも、最終的には延長戦の末に４-３と勝利。ピサとのプレーオフを制し、セリエAへの切符を手に入れた。

　ベルルスコーニはミランでの約30年で、５度の欧州制覇や８度のスクデットなど、数々のタイトルを獲得。一時代をつくったが、2017年春にクラブを売却し、2018年にモンツァを買収して、愛する古巣ミランとセリエAで対戦することを新たな夢としてきた。
 

　その夢が実現することになり、ベルルスコーニは「大きな喜びだ。モンツァは1912年創立でA経験がなかった。今、我々がたどり着いた」と話している。（イタリア紙『Gazzetta dello Sport』より）

「次はリーグ優勝とチャンピオンズ・リーグ出場を望む。今シーズンはミランのスクデットに続いて２つの喜びだ」

　また、ベルルスコーニの相棒ガッリアーニも、「特に最後の数週間は大変な感動だった」と喜びを表している。

「モンツァとミランの試合は信じられない感動になるだろう。私の息子たちはすぐにインテルを倒してくれと頼んできたよ」

　セリエA優勝でミランが復活を果たしたシーズンに、ベルルスコーニらが率いるモンツァがセリエA昇格を果たし、１部でミランと対戦することが決まったのは運命的だ。

　ミランを愛する者、そしてかつてベルルスコーニ・ミランを愛した者にとって、来シーズンの対戦時は歴史的な瞬間となる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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