二度の決定機逸……マインツ武藤 素直に喜べない「初先発」と「初勝利」

2015年08月24日 遠藤孝輔

肝心な場面で決めきる余力が残っていなかったか。

終盤の決定機を立て続けに外した武藤。初先発でチームは初勝利も課題を残した。 (C) Getty Images

 ともに開幕戦を落としたボルシアMGとマインツの一戦は、アウェーに乗り込んだマインツが2-1と接戦をモノにして今シーズン初勝利を挙げた。
 
 ボール支配率で上回り、決定機を数多く作り出していたのはホームのボルシアMGだった。それだけに耐えに耐えて、数少ないチャンスを確実に決めたマインツにとっては価値の大きい勝点3となった。
 
 この勝利を素直に喜べないのは、あるいはブンデスリーガで初先発となった武藤かもしれない。
 
 87分、89分と立て続けに訪れた決定機を外してしまったからだ。いずれもエリア内でフリーという状況でゴールを狙いながら、枠の左に外れた1本目は力が入りすぎてしまい、2本目は狙い澄ましたシュートが枠の上へと浮いてしまった。
 
 2つの決定機を逃した後に肩で息をしていたとおり、蓄積した疲労がフィニッシュの精度を落とした印象は否めない。守備時は前線でのプレッシングを怠らず、攻撃時はスペースへの飛び出しや最前線での収め所になるためのダッシュを繰り返した結果、肝心な場面で決めきる余力が残されていなかったのだろう。
 
 武藤が務めた4-2-3-1システムの1トップは、マインツが今夏の移籍市場が閉じる前に補強しようとしているポジションだ。ストライカーの新戦力が加われば、武藤の主戦場は2列目サイドになる可能性が高い。
 
 ただ、そこでもすんなりとレギュラーを確保できるとは言い難い。そのウイングの定位置を争うハイロとクレメンスがこの一戦で、それぞれ1ゴールと結果を残したからだ。その意味でも、決定機を逸したのは痛恨だろう。
 
 シュミット監督も、地元メディアも、ファンも、武藤には「適応するための時間を与える」と寛容な姿勢を見せており、チャンスはまだまだある。いずれにしても、同じ轍を踏ないことが重要だ。
 
文:遠藤孝輔
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