【FC東京】森重復帰がV字回復の肝となるか。“変革×変革”の構図となる鹿島戦を落とせば…

2022年05月20日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

3強の一角である鹿島を倒さないといけない

ルヴァンカップの福岡戦で復帰した森重。この大黒柱の活躍がチームの命運を握る。写真:徳原隆元

 2022年シーズンのJ1リーグで13試合を消化して7位。FC東京が優勝戦線に生き残るためには、5月21日の柏戦、25日の清水戦、29日の鹿島戦が比較的重要となる。

 リーグ戦では3連敗中と元気がないものの、ルヴァンカップの福岡戦(5月18日)でCBの森重が怪我から戦列復帰した点はポジティブな材料だ。この大黒柱が最終ラインにどんと構えることで、相手へのプレッシャーも大きくなる。つまり、現在のスランプから抜け出し、チームが再び上昇気流に乗るためには森重のパフォーマンスがひとつの鍵になるだろう。

 なにしろ、森繁はアルベル監督が標榜する「ポジショナルプレー」を体現する上で不可欠な戦力なのだ。組み立ての局面でのポジショニング、パスの出しどころはさすがのひと言で、とりわけ局面をガラリと変えるロングボールの質、相手をサラリとかわしてから味方にボールを預ける技術が素晴らしい。このCBが負傷離脱中にチームが勝てなくなったのは決して偶然ではないだろう。
 

 そんな森重がカムバックしたのだから、チームの士気も高まっているはずである。次の3連戦のうち絶対にモノにしたいのがホームの2試合、柏戦と鹿島戦だ。どちらも上位チームとの対戦で相手に勢いを与えない意味でも、勝利を掴みたい。

 より興味深い戦いは、鹿島戦だろう。FC東京と同様、今季の鹿島は外国人監督(スイス国籍のヴァイラー)を招聘しており、変革を印象付けている。いわばこの一戦は"変革×変革"というバトルで、どちらのチームが進化しているかをジャッジできるゲームになるだろう。

 目下絶好調の上田を、森重が止められるか。これが試合の行方を左右する大きなポイントになるはずだ。今季のFC東京は守備でリズムを作る試合が多いだけに、先にゴールは与えたくない。となるとやはり、今季のJ1得点ランクトップタイにいる上田を封じ込めないといけないのだ。

 堅守を築ければ、D・オリヴェイラ、アダイウトン、レアンドロら助っ人を軸に攻撃を仕掛けられる。なかでも、技巧派のレアンドロが古巣を相手にどんなパフォーマンスを見せるかは注目だ。

 現在の3強のうち川崎、横浜には結果的に敗れている。そういう意味でも、その一角である鹿島をここで倒さないといけない。森重復帰がV字回復への肝となるか。今季ここまでの変革が正しかったことをアピールするためにも、鹿島には絶対に負けられない。仮にこの一戦を落とせば……。リーグ優勝への道のりは相当厳しいモノになる。

構成●サッカーダイジェスト編集部

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