「タケの成長に物足りなさを感じる」マジョルカの伝説OBと元監督に訊いた久保建英の“リアル評” 「頭一つ抜けた才能がある。だが…」【現地発】

2022年05月01日 エレナ・ガルシア

「消化不良のシーズンになっている」

久保について語ったパコ・ソレール氏(左端)とミケル・ソレール氏(右端)。(C)Diario de Mallorca, Getty Images

 マジョルカが1部生き残りを懸けてギリギリの戦いを強いられている中、ミケル・ソレール(1965年ジローナ生まれ)とパコ・ソレール(1970年マジョルカ生まれ)の2人のOBに話を聞いた。

 テーマの中心はタケ・クボ(久保建英)。両者の間で共通していたのは、期待通りに成長していないという不足感だった。

 ミケル・ソレールは、1998-99から2002-03シーズンまでマジョルカでプレーした。2015年には監督としてチームを率い、現在はモビスターの解説者を務める。

「消化不良のシーズンになっている。もっと主役を張れる能力があるし、ルイス・ガルシア(プラサ)前監督の下で、もっと多くの出場機会を得ることができたはずだ。タケはラ・リーガで3年目のシーズンを迎えている。これまでの経験を活かし、もう少し成長できると期待していた」

 ミケル・ソレールがタケに求めるのは、攻守にわたる活躍だ。

「タケは相手DFを混乱に陥れるドリブル、パス、シュートを持っている。だからそうやって攻撃で違いを作りながら、徐々に守備力を向上させていけば、マジョルカにとって大きな力になれると期待していた。

 今日のサッカーにおいて守備を免除されている選手は(キリアン)エムバペと(リオネル)メッシくらいのものだ。タケはもちろん2人の域には達していない。であれば、タケは攻守のトータルでチームに貢献する必要がある。ラ・リーガ3年目であることを考えると、成長度、成熟度という点で少し物足りなさを感じる」
 
 1991年にトップチームデビューを果たしてから2004年に現役を引退するまで14シーズン間にわたってマジョルカ一筋で活躍した「チチ」の愛称で知られるパコ・ソレールも物足りなさを認めつつも、今後の巻き返しに期待を寄せる。

「イレギュラーなシーズンを送っている。スタートはかなり良かった。ルイス・ガルシア前監督のもとで才能を発揮してくれると期待が広がった。でもチームと同様にそのパフォーマンスは尻すぼみの状態だ。ただ最近、再びチームの中で重要な役割を担っていけそうなプレーを見せつつある。これからが本当の勝負だ」

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